1.本校の試験監督について

 本校では試験の時、担当教員が教室で問題用紙を配布したあと、職員室にもどり、終了5分ほど前に再び教室に行って、チャイムがなれば試験を回収する。これは制度として規定されたものではないが、ふつうこのような形で監督がいない中、試験が実施されている。わたしはこの学校13年目になるが、着任したころ、先輩の教員からつぎのようなことを聞いた。
 「試験は自分のカを確かめるためのものである。カンニングをしてよい点を取っても、それは意味のないことである。自主自律を教育の目標として掲げる本校は、生徒と教員の信頼関係のもと、試験監督を置いていない。」


2.カンニングなどの問題はないのか?

 しかし、実際にはカンニングが行われることがあった。数学などの答案の内容から見つかる場合もあり、他の生徒からの連絡によって発覚することもある。その時には、生徒は全科目が0点となり、副校長から、保護者同席で、生徒に対する指導が行われる。
 また、生徒の気分が悪くなったり、質問がある時にはどうするのかというような疑問も出る。それに対しては、先輩の教員によれば、
 「自分で保健室に行くか、回りの生徒が気遣ってあげるというような対処方法を学ぶのも大切なことである」とのことであった。


3.教務部からの提案

 その後、十年一昔ほどの歳月が過ぎる中、若干の改善が行われたが、基本的には従来のやり方で試験が実施されていた。
 ところが、2003年度末に教務部によって、「試験監督をつける」という提案が教官会議に提出された。その提案理由として、
◎あまり勉強の意欲がない生徒に対して、もっとしっかり勉強させるため
◎大学受験の推薦制度が近年拡大してきた中で、成績の公正さを厳密にするため
◎生徒の安全確保、健康管理の問題に対処するため
などがあげられたが、審議の結果、教務部の提案は否決された。


4.生徒はどう思っているのか?

 今回の発表では、以上の経緯を振り返るとともに、2004年7月に実施した「生徒の意識調査」を集計・検討して報告する。

「試験監督のない学校」


大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎   生川 年雄