5月16日(金) chu3-03  二酸化硫黄

 亜硫酸ガスという言葉を聞いたことがあるでしょうか。亜硫酸ガスとは,二酸化硫黄SOのことです。硫黄が燃えると二酸化硫黄ができます。石油や石炭などの化石燃料には,硫黄分が含まれています。したがって,化石燃料を燃やすと,二酸化硫黄,つまり亜硫酸ガスが発生するのです。
 それでは,二酸化硫黄とはどのような気体か調べてみることにしましょう。発生方法は,次の3種類が
よく知られています。 

 硫黄を燃やす。
  S + O
 → SO
 亜硫酸水素ナトリウムに硫酸を加える。
  NaHSO
 + HSO → NaHSO + HO + SO
 銅に濃硫酸を加えて加熱する。
  Cu + 2H
SO → CuSO + 2HO + SO

 硫黄を燃やす方法が最も簡単ですね。それでは,硫黄を燃やして二酸化硫黄をつくってみましょう。ただし,刺激臭の気体ですから,吸い過ぎないように気を付けましょう。

1.燃焼さじに,小さじ1杯の硫黄粉末をのせ,ガスバーナーの炎で点火する。
2.燃焼さじを乾いた集気瓶に入れ,ガラス板でふたをし,発生する気体を集気瓶に集める。
3.集気瓶に水を約5m入れ,よく振る。
4.集気瓶に入れた水の液性を,pH試験紙で調べる。









 二酸化硫黄が水に溶けると,水溶液は酸性であることがわかりましたね。しかし,この実験では,二酸化硫黄がどの程度水に溶けたのかよくわかりません。どうすればよいでしょうか。
 今日も100m の注射器を使うことにしましょう。ところで,発生した二酸化硫黄を注射器に移すにはどうすればよいでしょうか。集気瓶の中で硫黄を燃やし,発生した二酸化硫黄を注射器で吸い取る方法が考えられますね。でも,この方法では,二酸化硫黄に空気が混ざってしまうでしょうね。そこで,資料の,2つ目の方法を使うことにしましょう。



1.二また試験管の片方に,亜硫酸水素ナトリウムを1.9g入れる。
2.二また試験管のもう片方に,6mol/ の硫酸を3.0m 入れる。
3.二また試験管と注射器をつなぐ。
4.二また試験管の希硫酸を亜硫酸水素ナトリウムに移し,二酸化硫黄を発生させる。
5.二酸化硫黄を100m集めたところで,注射器を取り替える。
6.注射器で,二酸化硫黄を100m集める。




 これで,ほとんど空気の混ざっていない二酸化硫黄が集まりました。後は,前回の二酸化炭素の実験を思い出しながら,二酸化硫黄がどの程度水に溶けるか調べてみましょう。
 その前に,亜硫酸水素ナトリウムと硫酸の量をどのようにして決めるか説明しましょう。ただし,これは高校化学の内容です。
 NaHSO + HSO → NaHSO + HO + SO
 発生させる二酸化硫黄の体積を,標準状態で約400ml としましょう。気体の体積は,標準状態で1molが22.4 です。したがって,0.4/22.4≒0.018〔mol〕ということになります。化学反応式から,亜硫酸水素ナトリウム1molと硫酸1molが過不足なく反応して,二酸化硫黄が1mol発生することがわかります。したがって,必要な亜硫酸水素ナトリウムは0.018mol,硫酸も0.018molということになります。
 亜硫酸水素ナトリウム1molの質量は,23+1.0+32+16×3=104〔g/mol〕です。したがって,104×0.018≒1.9〔g〕ということになります。また,6mol/ の硫酸が ml 必要であるとすると,6× /1000=0.018,したがって, =0.018×1000/6≒3.0〔m〕ということになります。

気体の溶解度(気体の圧力が1atmのとき,水1に溶ける体積〔〕)
温度   CO
SO2  
0℃ 1.71l  80 
20℃ 0.88l  39l 
40℃ 0.53l  19l 

 20℃のとき,水1 に二酸化硫黄は30 溶けるのですね。ですから,注射器にはほとんど気体は残らないのです。もちろん,二酸化硫黄が溶けた水溶液は,酸性を示します。
今日の勉強のポイントをまとめましょう。
・二酸化硫黄は,もともと空気中にはほとんど含まれていない。
・化石燃料の燃焼によりできる。
・二酸化硫黄は,非常に水に溶けやすい。
・二酸化硫黄が水に溶けると,炭酸より強い酸性を示す。
 したがって,化石燃料の燃焼によって空気中に多くの二酸化硫黄が排出されたら,かなり酸性の強い雨が降ることになりますね。このように,二酸化硫黄は,酸性雨の原因の一つと考えられています。