2004年4月28日(水)04ko1-02 物質の構成 

 今日は,物質の構成について勉強します。具体的な内容は,
(1)混合物と純物質
(2)混合物の分離
(3)単体と化合物
(4)元素と単体
(5)同素体
です。内容が多いですが,がんばりましょう。
 それでは,最初は混合物と純物質についてです。一般に物質といえば純粋な物質を想像しますが,現実には色々なものが混ざっているのがふつうです。ただし,化学で使う物質ということばは,純物質すなわち単一の物質を意味します。それに対して,2種類以上の物質に分離できる物質を混合物といいます。
 身近なものでは,空気や海水は混合物ですね。空気には窒素が体積で78.1%,酸素が20.9%,アルゴンが0.9%,二酸化炭素が0.04%含まれています。海水に溶けている物質のうち,塩化ナトリウムが77.8%,塩化マグネシウムが10.9%,硫酸マグネシウムが4.7%を占めています。

                        

2 物質の構成
(1) 混合物と純物質
 混合物…空気,海水
 純物質…窒素N
,酸素O,アルゴンAr,二酸化炭素CO
       水H
O,塩化ナトリウムNaCl,塩化マグネシウムMgCl     

 化学で物質の性質を調べるためには,ある程度純粋なものでなければいけません。そこで,混合物の分離という操作が必要になるわけです。主な方法は,蒸留,ろ過,抽出,再結晶,昇華法,クロマトグラフィーなどです。
 では,実際に抽出とクロマトグラフィーをみてもらいましょう。

 最初は抽出です。ヨウ素溶液を知っていますね。ヨウ素の水溶液を思っているでしょうね。でもヨウ素はあまり水には溶けません。ヨウ素溶液は,ヨウ化カリウム水溶液にヨウ素が溶けているのです。そこで,このヨウ素を取り出したいと思います。使う溶媒はヘキサンC14です。分液ろうとを使ってヨウ素を抽出してみます。
 次は,クロマトグラフィーです。ここに黒色のサインペンがあります。このサインペンのインクは黒色ですね。では,黒色の色素だけを使っているのでしょうか。それを調べるのに,TLC(薄層クロマトグラフィー)を使います。溶媒にはエタノールC-OHを使いましょう(エタノールで展開させるといいます)。

(2)混合物の分離
 蒸留…沸点の差を利用,
      適当な温度範囲に分けて蒸留を行うことを分留という
 ろ過…粒子の大きさの差を利用
 抽出…溶解度の差を利用
 再結晶…温度などによる溶解度の差を利用
 昇華法…昇華のしやすさの違いを利用
 クロマトグラフィー…吸着力の差を利用

 中学校2年生のときに,炭酸水素ナトリウムNaHCOの分解の実験をしましたね。分解によってできる水をさらに分解すると,水素と酸素に分かれました。しかし,水素と酸素はもうそれ以上分解することができませんでした。このように,2種類以上の物質に分解することのできる純物質を化合物,分解できない物質を単体といいます。

(3)単体と化合物
 2種類以上の物質に分解することのできる純物質→化合物
 (例)炭酸水素ナトリウムNaHCO,水H

 2種類以上の物質に分解できない物質→単体
 (例)水素H
,酸素O
 なお,炭酸水素ナトリウムは胃薬やベーキングパウダー,発泡入浴剤などに使われています。
 次は元素と単体です。慣れるまでは,区別が難しいようです。ポイントは,単体は物質そのものです。しかし,元素は物質ではありません。elementです。elementとは原子番号によって区別される原子種のことです。


(4)元素と単体 
 元素…物質をつくる基本的な要素
 単体…1種類の元素からなる物質

 ここで,物質観の歴史を紹介しましょう。紀元前450年頃,ギリシャのエンペドクレスが火・水・土・空気(風)の四元素説を唱えました。エンペドクレスは,次にように考えたそうです。「なぜ,元素は1つしかないのであろうか?なぜ,4つではいけないのであろうか?ヘラクレイトスの火,アナクシメネスの空気,ターレスの水,そしてエンペドクレス自身が加えた土がすべての元素であってもよい。」
 4元素の説は,ギリシャの哲学者アリストテレスに受け入れられました。そして,2000年にわたって,アリストテレスの考えは真実だったのです。
                              
 気体法則で有名なイギリスのボイルは,1661年に「懐疑的化学者」という本を発行しました。彼は推論ではなく,事実に即した,実際的な方法で元素を定義しました。彼の定義は,「それ以上分解できない原始的な単純な物質」でした。さらに1789年,フランスのラボアジェは。彼の著書「化学要綱」で,元素を次のように定義しています。「化学分析によってより単純な物体に分解できないもの」

(5)同素体 
 同じ元素からできているにもかかわらず,性質が異なる単体
 (例)C:ダイヤモンド,黒鉛,フラーレン     
    O:酸素,オゾン   
    P:黄リン,赤リン     
    S:斜方硫黄,単斜硫黄,ゴム状硫黄 
 フラーレンについては,もう少し勉強が進んでから詳しい説明をすることにしましょう。
 では,今日の勉強の確認です。
1.次の物質を,混合物,化合物,単体に分類しなさい。
 海水,水,セッケン水,空気,アルゴン,一酸化炭素,金,塩化マグネシウム→混合物:
海水,セッケン水,空気,化合物:水,一酸化炭素,塩化マグネシウム,単体:アルゴン,金
2.次の混合物から,( )に示した純物質を分離する方法を答えなさい。
 ・少量の砂が混じったヨウ素(ヨウ素)→
昇華法参照
 ・少量の硫酸銅(II)の結晶が混じった硝酸カリウム(硝酸カリウム)→
再結晶参照
3.「歯や骨を丈夫にするためにカルシウムをとらなければいけない。」このカルシウムは,元素でしょうか,単体でしょうか?
元素
 できましたか?