2004年6月9日(水) 04ko1-06 共有結合と分子
分子ということばは知っていますね。分子説を提唱したのは,イタリアのアボガドロです。彼は,最初法律家でした。20才で法学博士の学位を得ています。その後,物理学の教授になっています。1811年,アボガドロは「物理学雑誌」に論文を提出し,彼の仮説を発表しました。その考え方は,ドルトンが考えた単体ガスの最小粒子も,また化合物ガスの最小粒子と同様に複合体であるということでした。そして,アボガドロの分子説により,ゲー・リュサックによって発見された気体反応の法則をうまく説明することができるようになりました。(1)同温・同圧で比較すると,反応に関与する気体の体積は簡単な整数の比になる。 (2)生成物が気体のときは,その体積も簡単な整数比になる。 (1)気体は,いくつかの原子が結合した分子という粒子からなる。 (2)同温・同圧で比較すると,一定体積の気体は,その種類に関係なく同数の分子を含む(アボガドロの仮説)。 しかし,アボガドロの考えが,当時すぐに認められたわけではありませんでした。彼の説は,約半世紀も埋もれてやっと1860年の9月万国化学会議がはじめてカールスルーエで開かれて,化学記号の統一問題などを協議したときに掘り出されました。その席上でアボガドロの門弟カニザーロの「化学哲学教程要領」という小冊子により,提唱者の死後になってはじめて,彼の真価が認められたのです。 それでは,話をもとに戻します。分子はいくつかの原子からできているとことも知っていますね。原子から分子ができるとき,どのような規則性があるのでしょうか。今日は分子について学びましょう。具体的には, (1)不対電子 (2)共有結合 (3)配位結合 です。私たちの生活に関係の深いプラスチックや食べ物,私たちの体をつくっているタンパク質など,すべて分子です。 ところで,原子の最外殻の電子を価電子といいましたね。その価電子には,非共有電子対と不対電子があります。共有結合に関係するのは不対電子です。 |
6 共有結合と分子 (1)不対電子 ┌ 対をつくっているもの → 非共有電子対 価電子 ┤ └ 対をつくっていないもの → 不対電子
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次は共有結合です。2個の不対電子が2個の原子に共有されてできる結合を共有結合といいます。たとえば,水素分子中の水素原子の電子配置は,安定な希ガス原子であるHe原子と同じになりますね。 |
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(2)共有結合 不対電子 + 不対電子 → 共有電子対 H・ H・ H:H
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1組の共有電子対を1本の線で示した化学式を構造式といいます。分子は,構造式で表すことが多いですね。次は配位結合です。今日の授業では触れることができませんでしたので,後日紹介することにしましょう。興味のある人は先に勉強しておいて下さい。 |
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(3)配位結合 結合する原子間で,一方の原子から非共有電子対が提供され,それを2つの原子が共有することによってできる結合 NH3 + H+ → NH4+(アンモニウムイオン) H2O + H+ → H3O+(オキソニウムイオン) ![]() |
配位結合は,普通の共有結合とそのでき方は異なりますが,できてしまえば共有結合と同じです。したがって,アンモニウムイオン中の4つのN−H結合はまったく同じ性質を示し,どれが配位結合による結合かは区別できないことに注意してください。よく間違うところです。それでは,今日の勉強の確認です。 1.価電子のうち,対をつくっているものを何といいますか,また,対をつくっていないものを何といいますか?→対をつくっているもの;非共有電子対,対をつくっていないもの;不対電子 2.次の各分子を構造式で表し,各原子と同じ電子配置の希ガス原子を答えなさい。 (1)塩化水素HCl→H-Cl,H;He,Cl;Ar (2)硫化水素H2S→H-S-H,H;He,S;Ar (3)シアン化水素HCN→H-C≡N,H;He,C;Ne,N;Ne 3.結合する原子間で,一方の原子から非共有電子対が提供され,それを2つの原子が共有することによってできる結合を何といいますか?→配位結合 |