2004年6月16日(水) 04ko1-07 分子の形と極性
水の融点は0℃で,沸点は100℃であることは誰でも知っていますね。別に不思議ではないでしょう。しかし,化学の世界では,小さな分子でできている水の融点が0℃で,沸点が100℃であることは,ある意味で異常なのです。 ![]() 今日は分子の形と極性について学びましょう。具体的には, (1)電気陰性度 (2)分子の形と極性 (3)分子結晶と水素結合 です。 2個の原子が共有結合して分子ができたとき,各原子の電子を引きつける強さは同じでしょうか。 |
7 分子の形と極性 (1)電気陰性度 2個の原子が結合したとき,各原子がその電子を引きつける強さを数値で表したもの Mulliken x=0.5(I+A) x:電気陰性度,I:イオン化エネルギー,A:電子親和力 Pauling EA−B=(EA−A・EB−B)1/2+k(xA+xB)2 x:電気陰性度,E:結合エネルギー |
Mullilenの定義の方がわかりやすいですが,一般にはPauringの定義で算出された値がよく使われます。
この電気陰性度に違いのある元素の原子が結合して分子ができたとき,どのような性質をもつことになるのでしょうか。 |
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(2)分子の形と極性 極性…分子内の電荷の偏り 極性分子…極性をもつ分子 無極性分子…極性のない分子 ![]()
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共有電子対がどちらかの原子に偏っているとき,結合に極性があるといいます。塩化水素は,結合の極性が分子の極性になっていますね。このような分子を極性分子といいます。一方,分子全体で電気の偏りがない分子を無極性分子といいます。結合した2原子が共有電子対を引きつける強さが同じとき,結合に極性がありません。また,二酸化炭素やメタンのように極性を打ち消しあうときは,全体として無極性になります。 |
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(3)分子結晶と水素結合 <ファンデルワールス力> 分子間にはたらく弱い引力 (例)分子でできた物質の液体や固体 ファンデルワールス力<化学結合(イオン結合,共有結合) 融点や沸点が低い 分子量が大きくなる→ファンデルワールス力が強くなる→融点や沸点が高くなる <分子結晶> 分子が規則正しく配列して構成された固体 (例)I2,C10H8ナフタレン もろいものが多く,融点が低い <水素結合> HF,H2O,NH3の沸点が高い→ファンデルワールス力以外に水素結合 水素結合…水素原子を間にはさんだ分子間の結合 ファンデルワールス力<水素結合<化学結合 ファンデルワールス力や水素結合など分子間にはたらく力→分子間力 |
水はありふれた物質ですが,化学的には不思議な物質なのです。酸素と同じ16族の水素化合物であるH2Sの沸点は−60.4℃です。したがって,水分子がファンデルワールス力だけで結合するのであれば,水の沸点はこれよりも低くなるはずです。もし,水素結合がなければ…水は地球上ではほとんどすべて気体の状態で存在するということになりますね。もしそうなっていたなら…地球上には生命は誕生しなかったということです。私たちは,水素結合のおかげで生きているのですね。水素結合に感謝しましょう。 ![]() では,今日の勉強の確認です。 1.2個の原子が結合したとき,各原子がその電子を引きつける強さを数値で表したものを何といいますか?→電気陰性度 2.分子内の電荷の偏りを何といいますか?また,電荷の偏っている分子を何といいますか?→極性,極性分子 3.次のうち,無極性分子はどれですか。塩化水素,水,アンモニア,二酸化炭素,メタン→二酸化炭素,メタン 4.分子結晶の融点・沸点が低い理由は何ですか?→分子間力が小さいため,小さい熱エネルギーで分子間の結合が切れるためです。 5.フッ化水素,水,アンモニアのようなH原子を間にはさんだ分子間の結合を何といいますか?→水素結合 |