2004年8月27日(金) 04ko1-10 原子量・分子量・式量

 今日から原子,分子,イオンなどの粒子の質量をどのように扱えばよいか考えていきましょう。化学の量関係を考えるには,とても大切なところです。がんばってマスターしてください。今日の内容は,
(1)原子量
(2)分子量
(3)式量
です。
 では,原子量から説明することにしましょう。原子量の基準は,現在では質量数12の炭素原子です。炭素原子というと,変な感じがしますね。最も軽い水素原子や,化合物を多くつくる酸素原子の方がよいような感じがします。実は,以前は酸素原子を基準にしていました。ところが,物理の世界では質量数16の酸素原子を16としていたのに対して,化学の世界では質量数16,17,18を含む酸素元素を16としていたのです。この違い変わりますか。化学の方がややアバウトな感じがしますが,ある意味では実質的ということもできます。しかし,物理と化学で原子量が微妙に違うというのは不都合なことです。そこで,1961年IUPAC(国際純正応用化学連合原子量委員会)が質量数12の炭素原子を12とする新しい原子量の定義を決めたのです。その理由は,物理と化学の原子量の修正を最も少なくするためであるといわれています。
                           

10 原子量・分子量・式量
(1)原子量
 12C(質量数12の炭素原子)を基準にした相対質量
 12C=12(定義)とする
<水素元素の原子量>
 H…99.985%,H…0.015%
 原子量=1.0078×99.985/100+2.0141×0.015/100≒1.008
<炭素元素の原子量>
 12C…98.90%,13C…1.10%
 原子量=12×98.90/100+13.003×1.10/100≒12.01      
 足し算の有効数字の考え方は,一般に測定値の末尾の四捨五入などで処理し,位取りの高いものに末尾をあわせて計算します。またかけ算では,答の桁数は,四捨五入により桁数の最も少ない数値にあわせます。
 質量数12の炭素原子の質量を12と決めると,分子の相対質量も決まりますね。

(2)分子量
 分子の相対質量
 分子を構成している原子の原子量の総和
<水の分子量>

 H
 水素の原子量=1.01,酸素の原子量=16.0
 水の分子量=1.01×2+16.0≒18.0
<グルコースの分子量>

 C12
 炭素の原子量=12.0,水素の原子量=1.01,酸素の原子量=16.0
 グルコースの分子量=12.0×6+1.01×12+16.0×6≒180.1

 では,分子以外の化合物はどうなるのでしょうか。

(3)式量
 組成式やイオン式の中に含まれる原子の原子量の総和
<塩化ナトリウムの式量>

 NaCl
 ナトリウムの原子量=23.0,塩素の原子量=35.5
 塩化ナトリウムの式量=23.0+35.5=58.5
<硫酸イオンの式量>
 SO2−
 硫黄の原子量=32.1,酸素の原子量=16.0
 硫酸イオンの式量=32.1+16.0×4=96.1
<金属などの単体の式量>
 元素記号=組成式
 原子量→式量
 次の授業で実験から原子量を求めてみましょう。お楽しみに。
それでは今日の授業内容の確認です。
1.原子量の規準になっている原子は何ですか?→質量数12の炭素原子
2.二酸化炭素の分子量はいくらですね?ただし,炭素の原子量を12,酸素の原子量を16とします。→CO=12×1+16×4=44
3.炭酸カルシウムの式量はいくらですか?ただし,カルシウムの原子量を40,炭素の原子量を12,酸素の原子量を16とします。→CaCO=40×1+12×1+16×3=100