2004年9月8日(水) 04ko1-11 I 実験5−銅の原子量の測定

 今日は,実験によって銅の原子量を求めてみましょう。方法は,酸化銅(II)の還元を使います。

実験5 銅の原子量の測定
1 乾いた試験管の質量()を測定し,その中に酸化銅(II)1.00gを入れて,再び試験管全体の質量()を測定する。
2 試験管に亜鉛を底から3cmほど入れ,図にような装置を組み立てる。


3 酸化銅(II)をできるだけ均一に広げる。酸化銅(II)が誘導管につかないように取り付ける。
4 6mol/ の塩酸を亜鉛の入っている試験管にの半分くらいまで加え,すばやく誘導管のついたゴム栓をつける。
5 しばらくして,酸化銅(II)の入っている試験管を,ガスバーナーで強熱する。反応がはじまれば,バーナーを移動させて加熱の場所を変える。反応によって生成した水も加熱し,完全に蒸発させる。
6 最後に全体を加熱し,未反応の酸化銅(II)が残っていないことを確認したら,完全に冷えるまで水素を送り続ける。
7 試験管が冷えたら,試験管をたてて,中の気体を空気と置換する。その後,試験管全体の質量()を測定する。


  実験結果をまとめましょう。

CuOの質量(
Cuの質量(
Oの質量(
酸素を1としたときの銅の
質量比(÷
          g          g          g     ÷    =

 それでは,考察です。        

酸化銅(II)と水素の反応
 CuO + H → Cu + H
銅と結合していた酸素の質量を求めるには
 質量保存の法則を使う。
銅と酸素の質量比
 Cu:O=4.00:1=:16
 =64 ← 銅の原子量
酸化銅(II)中の銅と酸素の必要比が一定
 定比例の法則



 
この実験の反応について,もう少し詳しく説明しましょう。
 CuO + H → Cu + H
 銅の原子量=63.55,酸素の原子量=16.00だから,
 酸化銅(II)CuOの式量=63.55+16.00=79.55
 1.00gの酸化銅(II)から得られる銅の質量は,
 79.55:63.55=1.00:
 =63.55÷79.55≒0.7989
 感量が10mgの天秤では,0.80gである。


 実験で正確な原子量を求めるのは難しいことがわかったでしょうね。昔の化学者は,どのようにして正確な原子量を求めたのでしょうね。尊敬してしまいます。
 ところで,市販の酸化銅(II)には,酸化銅(I)が含まれています。そこで,この実験を行う前に,市販の酸化銅(II)をガスバーナーで十分加熱しておく必要があります。ただし,一度にたくさんできませんから,実験室でガスバーナーを24本使ってやります。実験室の温度がどうなるか,想像してみてください。また,酸化銅(II)に水分が含まれていると,正しい実験結果が出ませんね。そこで,シリカゲルで十分に乾燥させたものを使います。いろいろ苦労しているのですよ。

                    

 今日の実験のポイントは,次の通りです。
1.酸化銅(II)を水素を通しながら加熱すると,銅になります。
2.酸化銅と銅の質量比が5:4であれば,銅原子と酸素原子の質量比は4:1です。
3.銅原子と酸素原子の質量比が4:1であれば,酸素の原子量を16とすると,銅の原子量は64になります。