2004年11月10日(水) 04ko1-17 I 実験7−化学反応における量的関係

 日は,量的関係を調べる実験です。炭酸カルシウムCaCOと塩酸HClの反応を使って調べます。炭酸カルシウムは,石灰石,大理石などの主成分であるだけでなく,貝殻や卵の殻の主成分です。
     
 この反応によってできるものは塩化カルシウムCaClと二酸化炭素COと水HOです。ビーカーの中で反応させますから,生成した二酸化炭素は空気中に逃げますね。できた二酸化炭素がすべて空気中に逃げたと仮定すると,質量の減少分は生成した二酸化炭素の質量に等しくなります。したがって,生成した二酸化炭素の物質量を求めることができるわけです。

実験7 化学反応における量的関係
1 薬包紙に次の質量の炭酸カルシウムをはかり取る。0.50g,1.00g,2.00g,3.00g,4。00g,5.00g
2 5.0mol/ の塩酸を10m はかり取り,6個のビーカーに入れる。
3 電子天秤で,図のようにして反応前の全質量をはかる。

  
4 炭酸カルシウムを塩酸の中に少しずつ加え,全部加え終わったら薬包紙でふたをする。
5 ビーカーを振って泡が出なくなたら,反応後の全質量をはかる。ビーカー内に未反応の炭酸カルシウムが残っていないか確認する。


 実験結果を次の表にまとめましょう。

CaCOの質量 0.50g 1.00g 2.00g 3.00g 4.00g 5.00g
    g     g     g     g     g     g
    g     g     g     g     g     g
    g     g     g     g     g     g
未反応のCaCOの有無
 実験結果の例を紹介しましょう。
  
CaCOの質量 0.50g 1.00g 2.00g 3.00g 4.00g 5.00g
48.10g 45.79g 38.65g 48.08g 40.46g 50.01g
47.89g 45.36g 37.75g 47.00g 39.38g 48.93g
0.21g 0.43g 0.90g 1.08g 1.08g 1.08g
未反応のCaCOの有無

 炭酸カルシウムCaCOが3g以上になると,未反応の炭酸カルシウムが残るようになり,また,発生した二酸化炭素COの質量が一定になっていることがわかりますね。
 それでは,考察です。
        

炭酸カルシウムCaCOの式量
 40+12+16×3=100
二酸化炭素の分子量
 12+16×2=44
実験結果を物質量に換算すると
CaCOの質量 0.50g 1.00g 2.00g 3.00g 4.00g 5.00g
CaCOの物質量 0.0050mol 0.010mol 0.020mol 0.030mol 0.040mol 0.050mol
COの物質量 0.0048mol 0.0098mol 0.020mol 0.025mol 0.025mol 0.025mol
HClの物質量 0.050mol 0.050mol 0.050mol 0.050mol 0.050mol 0.050mol

HClとCaCOが過不足なく反応するのは
 CaCO+2HCl→CaCl+CO

 塩酸が0.0050molだから,この塩酸と過不足なく反応する炭酸カルシウムは0.025mol
 100×0.025=2.5〔g〕
物質量の関係は
 CaCO:HCl:CO=1:2:1



 
この反応の量的関係の理論値
CaCOの質量 0.50g 1.00g 2.00g 3.00g 4.00g 5.00g
CaCOの物質量 0.0050mol 0.010mol 0.020mol 0.030mol 0.040mol 0.050mol
COの物質量 0.0050mol 0.010mol 0.020mol 0.025mol 0.025mol 0.025mol
COの質量 0.22g 0.44g 0.88g 1.1g 1.1g 1.1g
HClの物質量 0.050mol 0.050mol 0.050mol 0.050mol 0.050mol 0.050mol

 反応の前後の質量の差は,ほとんど発生した二酸化炭素の質量に一致しています。どうですか,物質量はとても便利なものであることがわかったでしょう。
 今日の実験のポイントは,次の通りです。
1.炭酸カルシウムに塩酸を反応させると,塩化カルシウムと水と二酸化炭素ができます。
  CaCO+2HCl→CaCl+CO

2.反応によって発生した二酸化炭素CO
がすべて逃げたとすれば,二酸化炭素の質量分だけ軽くなります。
3.塩酸の物質量が0.0050molであるなら,,この塩酸と過不足なく反応する炭酸カルシウムの物質量は0.025mol,すなわち2.50gです。
 これで,高校化学の基礎的な事柄は終了です。次回からは,酸と塩基(中学校ではアルカリ)について勉強することにしましょう。