2004年11月24(水) 04ko1-19 T実験10 酸と塩基の性質
実験によって,酸と塩基の性質を調べましょう。中学校のときは,酸とアルカリとよんでいましたね。高校の化学では,酸と塩基といいます。アルカリと塩基の違いについては,後ほど紹介することにします。さっそく実験です。塩酸や酢酸は,酸であることを知っていますね。では,塩酸と酢酸の水溶液に共通することは何でしょうか。塩酸や酢酸は,水溶液中で電離します。塩酸が電離すると,次のようになります。HCl→H++Cl− また,酢酸が電離すると,次のようになります。CH3COOH→H++CH3COO− つまり,水素イオンが共通のイオンなのです。しかし,実際には,水素イオンは水素原子が電子を1個失ったものですから,陽子ということになりますね。陽子が安定に存在するとは考えにくいので,水分子が配位したオキソニウムイオンH3O+のかたちになっていると考えられています。 ![]() 一方,水酸化ナトリウムやアンモニアは塩基です。水酸化ナトリウムやアンモニアの水溶液に共通することは何でしょうか。水酸化ナトリウムは水溶液中で電離します。NaOH→Na++OH− また,アンモニアの一部は水と反応します。NH3+H2O→NH4++OH− つまり,水酸化物イオンが共通のイオンなのです。 |
実験10 酸と塩基の性質 <酸の性質> 1 塩酸HClと酢酸CH3COOHを試験管に3ml ずつ取り,それぞれをガラス棒を用いてpH試験紙につけ,pHを求める。次に,各溶液を3本の試験管に3等分して,メチルオレンジ溶液,フェノールフタレイン溶液,BTB溶液を1滴ずつ加え,色の変化を調べる。 塩酸 酢酸
2 塩酸HClと酢酸CH3COOHを3ml ずつ試験管に取り,それぞれにマグネシウムMgを入れて変化のようすの違いを観察する。また,気体が発生したら,試験管の口にキャップをして気体を集め,マッチの火を近づける。 3 塩酸HClと酢酸CH3COOHをそれぞれ20ml ずつ別々のビーカーに取り,電極を酸の水溶液につけて,回路を流れる電流を測定する。(電源電圧3V程度) |
結果の確認を行いましょう。
続いて,塩基の性質を調べましょう。塩基は,ある意味では酸より怖い試薬です。特に,強塩基には注意してください。目に入れると,失明の可能性がありますから,保護メガネを必ず着用してください。 ![]() |
<塩基の性質> 4 水酸化ナトリウムNaOH水溶液とアンモニアNH3水について,操作1と同様の実験を行う。 水酸化ナトリウム水溶液 アンモニア水
5 水酸化ナトリウムNaOH水溶液およびアンモニアNH3水について,操作2と同様の実験を行う。 6 水酸化ナトリウムNaOH水溶液とアンモニアNH3水を別々のビーカーに20ml 取り,電極を塩基の水溶液につけて,回路を流れる電流を測定する。(電源電圧3V程度) 7 塩酸HClを試験管に2ml 取り,BTB溶液を2〜3滴加える。別の試験管に水酸化ナトリウムNaOH水溶液を3ml 取り,これを駒込ピペットで0.5ml ずつすべて塩酸に加え,色の変化を調べる。 |
結果の確認をしましょう。
水酸化ナトリウムが1.5ml になるまでは黄色,2.0ml 以上になると青色になります。 それでは,考察です。 |
電気伝導性と酸性・塩基性の強さの関係は 電気伝導性の大きいものは強酸または強塩基であり,電気伝導性の小さいものは弱酸または弱塩基である。 |
今日の実験のポイントは,次の通りです。1.同じ濃度なのに,塩酸と酢酸ではpHが違います。塩酸の方がpHは小さいです。また,塩酸の方がMgの反応が激しく,電気伝導性も大きいです。 2.同じ濃度なのに,水酸化ナトリウムとアンモニア水でもpHが違います。水酸化ナトリウムの方がpHは大きいです。また,水酸化ナトリウム水溶液の方が電気伝導性も大きいです。 3.酸や塩基などは共通した性質をもっていますが,pH,金属との反応性,電気伝導性などに違いが見られます。 |