2005年1月17日(月) 04ko1-24  中和滴定
 酸の水溶液に塩基の水溶液を加えると,中和が起こって溶液のpHが変化しますね。では,一定量の塩基の溶液を加えていくと,pH
は,どのように変化するのでしょうか。例えば,加えた塩基の水溶液に体積に比例して,溶液のpHが変化するのでしょうか。 
              
今日の勉強は,
(1)滴定曲線
(2)滴定曲線の作成
(3)中和点の液性
です。途中でpHの計算が出てきますが,がんばってください。
                                   

17 中和滴定

(1) 滴定曲線
 中和滴定において,加えた酸または塩基の体積と,それにともなう混合溶液のpHの変化を示した図
 中和点付近でpHが大きく変化する→HとOHの濃度差が小さい→滴下した酸や塩基の水溶液1滴の影響が大きい   
 中和滴定では,指示薬の色の変化によって中和点を知ることができました。では,滴定において,溶液のpHはどのように変化しているのでしょうか。
 もちろん,pHメーターによって調べることはできますが,今日は計算によってpHの変化を考えることにします。常用対数の表を紹介します。
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
0.000 0.041 0.079 0.114 0.146 0.176 0.204 0.230 0.255 0.279
0.301 0.322 0.342 0.362 0.380 0.398 0.415 0.431 0.447 0.462
0.477 0.491 0.505 0.519 0.532 0.544 0.556 0.568 0.580 0.591
0.602 0.613 0.623 0.634 0.644 0.653 0.663 0.672 0.681 0.690
0.699 0.708 0.716 0.724 0.732 0.740 0.748 0.756 0.763 0.771
0.778 0.785 0.792 0.799 0.806 0.813 0.820 0.826 0.833 0.839
0.845 0.851 0.857 0.863 0.869 0.875 0.881 0.887 0.892 0.898
0.903 0.909 0.914 0.919 0.924 0.929 0.935 0.940 0.945 0.949
0.954 0.959 0.964 0.969 0.973 0.978 0.982 0.987 0.991 0.996
   

(2) 滴定曲線の作成
    0.10mol/ の塩酸20m に0.10mol/ の水酸化ナトリウム水溶液を 加えたときのpHを考える
    <20mのとき [H]>[OH
    [H]=0.10×(20− )/1000×1000/(20+ )=0.10(20− )/(20+ ) 〔mol/
          pH=−log10[H]=−log100.10(20− )/(20+)
     >20mのとき[H]<[OH
    [OH]=0.10×( −20)/1000×1000/(20+ )=0.10( −20)/(20+ ) 〔mol/
    [H]=w/[OH]=(1.0×10−14)/0.10( −20)/(20+
    pH=−log10[H]=−log10(1.0×10−14)/0.10( −20)/(20+
     =0〜42を代入して,pHを求める
    横軸に水酸化ナトリウム水溶液の体積,縦軸にpHをとってグラフ化する
 グラフを表示してみます。なお,このグラフはExcelを使っています
 
 水酸化ナトリウム水溶液の体積が20m 付近でグラフが切れてしまいましたね。どうしてでしょう。 の値が19.0のときpHは2.6ですが,20.0のときはpHは7になります。また,が21.0のときは,pHは11.4まで増えます。つまり, が19.0から21.0間での間で,pHが急激に変化しているのです。ですから,この間の間隔を小さくして,計算すればよいのかもしれません。この間を,0.1間隔で計算してみましょう。
 グラフを表示してみます。
 
 まだ,切れていますね。 が19.9のとき,pHは3.6です。また, が20.1のとき,pHは9.4です。そこで, が19.9から20.1までの間を,0.01間隔で計算してみましょう。
 グラフを表示してみます。
 
 もう一息ですね。
 今度は, が19.99から20.01の間を,0.001間隔で計算してみます。
 グラフを表示してみます。
 
 ほとんどつながりましたね。pH7付近を0.001m間隔まで狭くして計算した結果です。
 最後は,pH7付近を0.0001m間隔まで狭くして計算した結果です。
 
 このように,中和点付近では,pHは急激に変化するのです。このような,加えた酸や塩基の体積と,混合溶液のpHの関係を示した図を,中和滴定曲線といいます。右のグラフは,塩酸と水酸化ナトリウムの中和滴定曲線です。強酸と強塩基のグラフは,おおむねこのようなかたちになります。しかし,弱酸と強塩基,強酸と弱塩基,弱酸と弱塩基では,かたちが違います。それらの区別ができるようになって下さい。

(3) 中和点の液性
 強酸・強塩基型→中和点=pH7
 弱酸・強塩基型→中和点>pH7
 強酸・弱塩基型→中和点<pH7     
 今日は,ややこしい計算があって大変だでしょう。これにこりずに,化学の勉強を続けましょう。
    
 今日の学習のポイントを整理しましょう。
1.中和滴定で,加えた酸や塩基の体積と,混合溶液のpHの関係を示した図を何といいますか?→滴定曲線
2.弱酸と強塩基で中和滴定するとき,指示薬はフェノールフタレインとメチルオレンジのどちらを使えばよいですか。→フェノールフタレイン
3.強酸と弱塩基で中和滴定するとき,中和点は何性になりますか?→酸性