2004年7月16日(金) 04ko1proof-03 目盛りのついた器具の検定2
さあ,今日は器具の検定を行いましょう。前回の実験で同じ体積を示している器具はどれでしたか。それらの器具の目盛りが,本当に正しいかどうかを知りたいと思います。どうすればよいでしょうか。 |
メスシリンダー(10ml ),目盛り付き試験管(18mm),駒込ピペット(5ml ),ホールピペット(10ml ),メスピペット(10ml ),ビュレット(25ml ),メスフラスコ(50ml ) |
器具によって,示している体積が違うことがわかっていますが,どれが正しいかはわかりません。何かよい方法はないでしょうか。よく考えて,工夫してみてください。![]() |
天秤と水を使って,次の器具の目盛りが正しいかどうか調べる |
量器の検定には水(蒸留水)を使用します。水は,温度と密度(d:g/cm3)の関係が良く測定されている物質で,化学便覧などで温度に対する密度の値を調べることができます。したがって,水温のわかっている水の質量をはかると,その水の正確な体積を計算で求めることができるわけです。密度のテーブルを下に示します。検定するときには、室温などが急激に変化しないような環境で行い、使用する水も十分室温になじんだものを使用してください。一般に量器は,水温が15℃もしくは20℃で検定を行っています。 ![]() |
水の密度(化学便覧 より)
|
どうでしたか。メスシリンダー(10ml ),ホールピペット(10ml ),メスピペット(10ml ),ビュレット(25ml ),メスフラスコ(50ml )の目盛りはほぼ正しいのではないでしょうか。それに対して,目盛り付き試験管(18mm),駒込ピペット(5ml ),の目盛りはあやしいかも知れませんね。水の密度を使う方法以外に,マイクロピペットで調べることもできると思います。化学研究室には,200〜1000μl(10−6l)用のマイクロピペットが2台あります。1000μlを使用したときの誤差は+−0.8%(8.0μl)です。これを使って調べることもできますね。 今回の実験でわかったことは,どのような目盛りを信用するかということです。私たちは,ガラス器具についている目盛りは,すべて正しいと考えてしまいます。実験によっては,それで十分な場合も多くあります。しかし,ときには,ガラス器具の目盛りを疑う必要のある場合があるということです。 それでは,信用できる目盛りを使って,次の課題に取り組むことにしましょう。その前に,どの課題に挑戦するか,決めておいて下さい。 課題I フラスコ内の空気の質量は,容器全体の質量に影響しないだろうか? 空気の質量をはかるには,どのようにすればよいだろうか? 課題II 水1滴の質量や体積はいくらだろうか? どのようにすれば,水1滴の質量や体積を正確に調べることができるだろうか? 課題III 水50cm3にアルコール50cm3を混ぜると,混合物の体積はいくらになるだろうか? アルコールの種類や割合を変えると,どうなるだろうか? 課題IV 卵の殻には,どの程度炭酸カルシウムが含まれているのだろうか? 炭酸カルシウムの割合を知るには,どのようにすればよいだろうか? ![]() |