2004年8月25日(水) 04ko1proof-6 研究発表会

 今日はいよいよ研究発表会です。各班の発表に使ったレジュメの内容を紹介しましょう。
1班(S君,F君)
課題III 水50cmにアルコール50cmを混ぜると,混合物の体積はいくらになるだろうか?
方法
1.ふた付きメスシリンダーを2本用意し,質量を測る。
2.メスシリンダーに蒸留水3m入れ,質量を測り,1から出た結果を引いて蒸留水のみの質量を出す。
3.別のメスシリンダーにエタノール0.5m を入れふたをする。
4.3のエタノールを2のメスシリンダーに入れてよく混ぜる。また,そのときの体積と質量を記録する。
5.3の数値を変えて繰り返す。
6.1〜5を他のアルコールでも同じようにする。
結果
エタノール
水3.0cm,質量2.944g,密度0.981g/cm
エタノール
体積〔cm 質量〔g〕 質量の増加〔g〕 体積〔cm 体積の増加〔cm 密度〔g/cm
0.5 3.375 0.384 3.39 0.39 0.996
1.0 3.750 0.375 3.88 0.49 0.966
1.5 4.134 0.384 4.29 0.41 0.964
2.0 4.501 0.367 4.72 0.43 0.954
2.5 4.864 0.363 5.12 0.40 0.950
3.0 5.229 0.365 5.58 0.46 0.937
3.5 5.600 0.371 6.03 0.45 0.929
4.0 5.982 0.382 6.50 0.47 0.920
4.5 6.358 0.376 6.99 0.49 0.910
5.0 6.746 0.388 7.48 0.49 0.902
5.5 7.119 0.377 7.95 0.47 0.895
6.0 7.503 0.384 8.42 0.47 0.891
6.5 7.872 0.369 8.90 0.48 0.885
7.0 8.249 0.377 9.36 0.46 0.881
7.5 8.664 0.415 9.85 0.49 0.880

メタノール
水3.0cm,質量2.909g
メタノール
体積〔cm 質量〔g〕 体積〔cm
1.0 2.909 3.95
2.0 3.655 4.80
3.0 4.416 5.69
4.0 5.170 6.61
5.0 5.956 7.58
6.0 7.846 8.51
7.0 8.224 9.46


プロパノール
水3.0cm,質量2.875g
プロパノール
体積〔cm 質量〔g〕 体積〔cm
1.0 3.667 3.91
2.0 4.442 4.86
3.0 5.230 5,78
4.0 6.017 6.75
5.0 6.809 7.70
6.0 7.594 8.70
7.0 8.373 9.70

ブタノール
水に溶けず,実験不能

  たくさんデーターを出してくれました。しかし,課題はまだ解決されていません。体積が最も小さくなるアルコールと水の割合を求めて下さい。そのためには,混ぜる前の水とアルコールの体積の和を一定にしておく必要がありますね。
2班(T君,F君,N君)
課題I フラスコ内の空気の質量は,容器全体の質量に影響しないだろうか?

目盛りの正しさ
同じ量の水を入れて量る
駒込ピペット>メスピペット>メスフラスコ>ビュレットの順に目盛りが大きい
この中では,メスシリンダーが基準になっている

空気の重さを量る
ボールの質量を量る
小さなテニスボールを用意し,切って空気を抜くが,中に物が入っていたため失敗
バレーボールで成功
空気を抜く前=256.46g
空気を抜いた後=256.24g(差=2.19g)
ボールの円周=63cm(半径10.0318cm)
4π/3=体積=41.9998cm→2.19g
密度=0.05214g/cm

ナス形フラスコを利用
アスピレーターでフラスコ内の空気を抜く
フラスコの質量=212.86g
3分 5分 7分 9分
212.418g 212.412g 212.407g 212.420g
7分〜9分で空気が抜け切れていることがわかった。
8分間空気を吸い,フラスコの先を水につけ,水を吸うことで体積を量る→390cm
(212.86−212.407)/390=1.1615…×10−3〔g/cm
これは理科便覧で調べた空気の密度(753気圧,29℃)のものに非常に近い。

 それにしても,ボールを割って空気の密度を求めようとする発想はすごいですね。しかし,厳密には,形が変わると空気から受ける浮力が変わりますからダメなのです。この実験では,形の変わらない容器を使う必要がありますね。
 空気の密度が1.16×10−3g/cmと3桁まで一致していますが,フラスコの体積が390cmとは信じがたいですね。フラスコの容積のはかり方はこれでよかったのでしょうか。
3班(Sさん,Mさん)
課題IV 卵の殻には,どの程度炭酸カルシウムが含まれているのだろうか?
準備
卵の殻(ゆで卵1つ分),塩酸(10m 以上),石灰水(50m ),三角フラスコ,二また試験管,ゴム栓,ガラス管,ガーゼ
方法
1.細かく砕いた卵の殻(約0.5〜1mmくらい)の質量を測り,二また試験管に入れる。塩酸を10m を二また試験管に測り取る。
2.塩酸を卵の殻の方に注ぎ,反応を見る。
3.反応が終わったら,卵の殻を取り出し,洗ってガーゼにのせて日なたで乾かす。
4.再び卵の殻の質量を測り,最初の質量との差を求める。この方法で2回実験をした。
結果
反応中は,卵の殻からすごい泡が出て,石灰水も白く濁った。
最初の質量〔g〕 反応後の質量〔g〕 差(溶けた量〔g〕)
1回目 4.16 1.98 2.18
2回目 4.96 2.61 2.35
割合は→1回目;2.18÷4.16×100≒52〔%〕
      2回目;2.35÷4.96×100≒47〔%〕
2回の実験結果より,卵の殻に含まれている炭酸カルシウムの割合は,だいたい50%くらいだとわかった。

 前回の授業でも紹介しましたが,ある論文(長谷川 正,安間 貴,山崎 裕子,探究活動における実験の正確性,化学と教育,p.193,2003年51巻3号)では,赤卵殻中のHCl可溶部は,乳鉢を用いて細かく粉砕した場合,81〜96%であるとなっています。
 昨年のプルーフでは,卵の殻に含まれる炭酸カルシウムは前期の研究で約50%,後期の研究では42%という結果でした。今年もだいたい同じ値が出ています。
4班(Nさん,Tさん)
課題I フラスコ内の空気の質量は,容器全体の質量に影響しないだろうか?

実験1
方法
1.ビニール袋に空気200m を入れて,電子天秤で質量を測る。
2.同じビニール袋に水200m を入れて,電子天秤で質量を測り,これから水の質量(199.79g)を引く。→ビニールの質量
3.1から2を引く
結果
1の値=4.27g
2で,ビニール袋+水200g=202.82〔g〕
202.82引く199.79=3.03〔g〕
3 4.27−3.03=1.24〔g〕
よって,空気200mあたり1.24g,1 あたりだと6.20g
実際の空気1 の質量は約1.25gなので,実験失敗
残念!

実験2
方法
1.ナス形フラスコに空気を入れて,電子天秤で質量を測る。
2.真空ポンプでフラスコ内の空気を抜く。(何分間で抜ききれるかわからないので,時間別に記録する。)
3.2の質量を測り,1の値から引く。
4.ナス形フラスコに水を入れて,その容積を測る。→フラスコ内の容積
時間〔分〕 ナス形フラスコの質量〔g〕 空気を吹いた後の質量〔g〕 抜けた空気の質量〔g〕
212.848 212.365 0.483
212.911 212.360 0.551
212.914 212.359 0.555
11 212.990 212.375 0.615
20 212.976 212.368 0.608
4の値は430cm
430cmのとき0.615g
のとき1.43g
インターネットで調べたところ,空気1 の質量は約1.3gだったので,成功とはいえませんが,実験1よりは数値が近くなりました。
 空気1 の質量,または空気の密度は,温度や気圧によって変化します。したがって,気温や気圧の記録が必要ですね。
 同じナス形フラスコを使っているのに,最初の質量にばらつきがあるのはどうしてでしょうか。また,真空ポンプを使ってフラスコ内の空気を抜いたわけですが,11分のときより20分の方が,抜けた空気の質量が減っていますね。不思議ですね。
5班(Fさん,Mさん)
課題I フラスコ内の空気の質量は,容器全体の質量に影響しないだろうか?
自分たちが考えた実験方法
私たちは,空気の質量は実験に影響を与えるかを調べた。まず,私たちはどうしたら空気の質量を天秤ではからないで,実験器具の質量を測ることができるか考えた。
 容器の質量などの関係により,実験は2つの方法で行った。
結果
実験を何度も行ううちに,考え方の誤りに気づき,実験失敗。

ナス形フラスコを使った実験方法
フラスコ内の空気をアスピレーターで抜く。
はじめは1分間隔でフラスコ内の空気を抜いていたけれど,もっと,間隔を短くした方が正確だと思い,短くした。15秒間で実験を行った。
結果
での空気の質量は,1.2607979g/となった。調べた結果と近かったので,正確とは言い切れないが成功したと思う。

 結果には,測定値が必要ですね。どのような測定値から1.2607979g/が出たのか示す必要があります。しかし,有効数字はいったい何桁なのでしょう?