2004年12月20日(月) 04ko1proof-010 身の回りの水溶液の濃度を調べよう3

 中和滴定はマスターできましたか?結構難しいでしょう。しかし,時間が限られていますから,本来の課題に取り組むようにしましょう。
 課題II〜課題IVまでは,中和滴定で濃度を調べることができると思います。しかし,課題Iは,中和反応ではありません。それでは,滴定で濃度を調べることはできるでしょうか。  

 過マンガン酸カリウムと過酸化水素の反応
 5H+2KMnO+3HSO→5O+2MnSO+KSO+8H
 5molの過酸化水素と2mol過マンガン酸カリウムがちょうど過不足なく反応します。このような反応を,酸化還元反応といいます。過マンガン酸カリウム水溶液は赤紫色ですが,2価のマンガンイオンは淡赤色で,溶液がうすいと無色に見えます。この反応を使って,オキシドールの濃度を滴定により求めることはできないでしょうか。
    
 次は,課題IIと課題IIIです。トイレ洗浄剤には塩酸が,食酢には酢酸が含まれています。塩酸も酢酸もともに酸ですね。したがって,塩基の水溶液で滴定すればよいですね。
 塩基として何を使いますか。一般には水酸化ナトリウムをよく使うと思います。しかし,固体の水酸化ナトリウムを知っていますか。粒状でおまけに潮解性です。粒状であるということは,任意の質量にあわせにくいということです。すなわち,0.10mol/ の濃度の水酸化ナトリウム水溶液をつくるのは難しいということです。潮解性ということは,時間が経つと薬包紙のうえでベトベトし出すということで,素早く処理をする必要があります。おまけに強塩基の試薬は危険です。目に入ると失明する恐れがあります。
 そこで,シュウ酸などを使って水酸化ナトリウムの濃度を決定する方法をとります。したがって,水酸化ナトリウムの質量は,それほど厳密に測る必要がありません。
    

シュウ酸二水和物
・2HO モル質量=126〔g/mol〕
0.63gをはかり取って100ml の水溶液にすると,
濃度=0.63/126×1000/100=0.050〔mol/
シュウ酸は2価の酸
シュウ酸と水酸化ナトリウムの反応
(COOH)+2NaOH→(COONa)+2H
塩酸と水酸化ナトリウムの反応
HCl+NaOH→NaCl+H
酢酸と水酸化ナトリウム水溶液の反応
CHCOOH+NaOH→CHCOONa+H
 最後は課題IVです。キンカンにはアンモニア水が含まれています。アンモニアとシュウ酸の組み合わせで中和滴定ができれば,直接シュウ酸でキンカンに含まれているアンモニアの濃度を知ることができます。もし。それが難しいなら,使用する塩酸の濃度を決定する必要があります。水酸化ナトリウム水溶液の濃度をシュウ酸水溶液で決め,その水酸化ナトリウム水溶液を使って塩酸の濃度を決めることになります。
    

シュウ酸とアンモニアの反応
(COOH)+2NH→(COONH
シュウ酸と水酸化ナトリウムの反応
(COOH)+2NaOH→(COONa)+2H
 滴定は,何回繰り返しても,同じ値にならなければいけません。納得いくまでくり返し実験を行いましょう。