2004年4月22日(木)04ko2-03 I 実験9 反応熱の測定とヘスの法則

 水酸化ナトリウムの溶解熱,水酸化ナトリウム水溶液と塩酸の中和熱,水酸化ナトリウムと塩酸の反応熱をそれぞれ測定して,ヘスの法則が成り立つかどうか,調べてみましょう。

実験9 反応熱の測定とヘスの法則

<水酸化ナトリウムの溶解熱>
1.発泡スチロールの容器に水を100m 入れる          
2.水温を測定する

3.水酸化ナトリウム約2g(正確に質量を記録する)とる
4.発泡スチロールの容器に水酸化ナトリウムを入れる
5.スターラーで撹拌しながら30秒おきに液温を測定する


注意:水酸化ナトリウムは粒状だから,2.00gを正確にはかりとることはできない。また,潮解性なので素早くはかりとる必要がある。

 水酸化ナトリウムの式量は40だから,2.0gの水酸化ナトリウムは,0.050molですね。
 上昇温度が5.0Kであれば,溶解熱をQとすると,

 Q
4.2×100×5.0×1/0.050=42000〔J/mol〕になります。

<中和熱>

1.塩酸50m  をメスシリンーで測りとる
2.液温を測定する

3.水酸化ナトリウム水溶液50m を測りとる
4.液温を測定する。

5.発泡スチロールの容器に入れた塩酸に,水酸化ナトリウム水溶液を加える
6.スターラーで撹拌しながら,最初の1分間は10秒おきに,その後は30秒おきに液温を測定する


注意:液体どうしの反応は速いから,最初は10秒おきに液温を測定する。









 塩酸,水酸化ナトリウム水溶液とも濃度1.0mol/ ,体積50m だから,ともに物質量は,1.0×50/1000=0.050〔mol〕ですね。
 温度上昇が6.3Kであれば,中和熱を
Qとすると,
 
Q4.2×100×6.3×1/0.050=52920〔J/mol〕 になります。

<水酸化ナトリウムと塩酸の反応熱>

1.発泡スチロールの容器に塩酸50m と水50m を入れる
2.撹拌し,液温を測定する

3.水酸化ナトリウム約2g(正確に質量を記録する)とる
4.発泡スチロールの容器に水酸化ナトリウムを入れる
5.撹拌しながら30秒おきに液温を測定する

注意:水酸化ナトリウムは粒状だから,2.00gを正確にはかりとることはできない。また,潮解性なので素早くはかりとる必要がある。





 塩酸の物質量は0.050molです。水酸化ナトリウムの式量は40だから,2.0gの水酸化ナトリウムは,0.050molですね。
 温度上昇が11.3Kであれば,反応熱をQとすると,

 Q=4.2×100×11.3×1/0.050=94920〔J/mol〕 
になりますね。
 
それでは,考察です。

1.42000〔J/mol〕,52920〔J/mol〕であれば,=94929〔J/mol〕=
 したがって,ヘスの法則が成り立つ。
2.NaOH(固)+aq=NaOHaq+45.0kJ
  HClaq+NaOHaq=NaClaq+H
O+56.5kJ
  HClaq+NaOH(固)+aq=NaClaq+H
O+102kJ


 
水酸化ナトリウムの溶解熱=45.0kJ/mol
 NaOHとHClの中和熱=56.5kJ/mol


 今日の実験のポイントは,次の通りです。
1.mcΔTだから,
 反応熱〔J〕=質量〔g〕×溶液の比熱〔
J/gK〕×上昇温度〔K〕
 溶液の比熱を4.2〔J/gK〕とすると,
 反応熱〔J〕=〔g〕×4.2〔J/gK〕×〔K〕
 この反応熱を物質量で割ると,1molあたりの反応熱になります。
 ただし,実験書では,発熱量〔J〕=4.2×100×ΔTと表現しています。
2.水酸化ナトリウム(固体)の溶解熱と水酸化ナトリウム水溶液と塩酸の中和熱の和は,水酸化ナトリウム(固体)と塩酸の反応熱に等しいですね。すなわち,ヘスの法則が成り立ていることが確認できました。