2004年5月20日(木)04ko2-05 酸化と還元

 今日から,酸化と還元について学びましょう。酸化や還元についても,中学校で学習していますね。どのような内容だったか,思い出してみましょう。酸化とは物質が酸素と化合することで,酸化物から酸素がとれる化学変化を還元と習っているはずです。
 高校では,もっと広い意味の定義を使います。そこで,いろいろ実験を見ながら考えていくことにします。
具体的には,
(1)銅と塩素の反応
(2)塩化銅(II)水溶液の電気分解
(3)電池
(4)酸化と還元
です。
 最初は,塩素の入った集気瓶に,先端を熱した銅線を入れます。すると,黄褐色の煙が出ますが,この煙は塩化銅(II)CuClです。銅と塩素は,どのような反応をしたのでしょうか。


 酸化と還元
(1)銅と塩素の反応

 Cu + Cl → CuCl
 Cu → Cu2+ + 2e 銅原子:電子を失った
 Cl + 2e → 2Cl 塩素原子:電子を得た

 塩化銅(U)水溶液を炭素板を電極として電気分解すると,陰極に銅が付着し,陽極から塩素が発生します。銅(II)イオンや塩化物イオンは,電極付近でどのような変化をしたのでしょうか。

(2)塩化銅(II)水溶液の電気分解
  CuCl → Cu2+ + 2Cl
 陰極:Cu2+ + 2e → Cu 銅イオン:電子を得た
 陽極:2Cl → Cl + 2e 塩化物イオン:電子を失った





 2枚の炭素板に太陽電池用のモーターをつなぐと,なんとモーターが回転します。銅と塩素で,電池ができているのですね。では,このとき,それぞれの極では,どのような変化が起こっているのでしょうか。
                               

(3)電池

 負極:Cu → Cu2+ + 2e 銅原子:電子を失った
 正極:Cl
 + 2e → 2Cl 塩素原子:電子を得た
 今までの実験に共通することは,電子の授受ですね。
                                         
 そこで,もう一度,酸化と還元について考えてみましょう。

 銅と酸素が化合して,酸化銅(II)ができます。酸化銅(II)は,黒色の粉末でしたね。このとき,銅は銅(II)イオンになっており,酸素は酸化物イオンになっています。すなわち,銅原子から酸素原子に電子が移動しているのです。


(4)酸化と還元

 ラボアジェ(フランス)
 酸化→酸素が他の物質と化合する現象
 「フロギストンに関する省察」(1783年)
 「化学原論」(1789年)

<酸化>
 酸素と化合して酸化物になる反応
 2Cu + O → 2CuO …(1)
 水素を失う反応
 2HS + O → 2S + 2H

<還元>
 酸化物が酸素を失う反応
 CuO + H → Cu + HO …(2)
 水素と結びつく反応

(1) Cu → Cu2+ + 2e 
 銅原子…電子を失った
 O + 4e → 2O2− 
 酸素原子…電子を得た

(2) Cu2+ + 2e → Cu 
 銅イオン…電子を得た
 O2− → O + 2e 
 酸化物イオン…電子を失った

 物質が電子を失う変化→酸化
 物質が電子を得る変化→還元
















 酸化と還元,水溶液の電気分解,電池は,それぞれ何も関係のないものだと考えていませんでしたか。実は,すべて同じ種類の反応だったのです。
 それでは,今日の勉強の確認です。
1.次の酸化還元反応を,水素の授受で説明しなさい。
 CH
 + 2O → CO + 2H
 →
CH(C原子)は水素を失った=酸化された,O(O原子)は水素を得た=還元された
2.次の酸化還元反応を,電子の授受で説明しなさい。
 (1)Mg + Cl
 → MgCl
 →
Mg原子は電子を失った=酸化された,Cl原子は電子を得た=還元された
  Mg → Mg
2+ + 2e , Cl + 2e → 2Cl

 (2)Fe
 + 2Al → 2Fe + Al
 →
Fe原子は電子を得た=還元された,Al原子は電子を失った=酸化された
 Fe
3+ + 3e → Fe , Al → Al3+ + 3e

3.空気中で,ナトリウムNaはすぐに表面の光沢がなくなり,鉄Feは徐々にさび,,金Auはほとんど変化しません。これらの金属で,最も酸化しにくいものはどれですか?→