2004年7月15日(木) 04ko2-15 ハロゲンの単体と化合物
今日は17族元素について勉強します。17族元素はハロゲンと総称されていますが,Haloはギリシャ語で「造塩」,genは「素」の意味です。NaClなどの塩をつくる素になっているという意味でしょうか。
 身近なところでは,塩素が水道水の消毒に使われており,ヨウ素はうがい薬(イソジンガーグル)などに使われています。
 ハロゲン原子の価電子は7個でしたね。したがって,1価の陰イオンになりやすいのです。
 今日の学習内容は,次の通りです。
(1)ハロゲン元素
(2)ハロゲンの単体
(3)ハロゲンの化合物
 では,ハロゲン元素からはじめましょう。
                    

11 ハロゲンの単体と化合物

(1) ハロゲン元素
    F fluorine  蛍石(CaF)          
   Cl chlorine   黄緑(ギリシャ語) 
   Br bromine 臭い(ギリシャ語)
     I  iodine     すみれ色(ギリシャ語)
     
価電子が7個→1価の陰イオンになりやすい
   電子を受け取りやすい→還元されやすい(酸化作用)
 ハロゲンの単体は,2原子分子からなり,有色・有毒です。融点・沸点は原子番号が大きいほど高くなります。有色の気体の例はそれほど多くないので,きちんと色を覚えてきましょう。
 フッ素は淡黄色の気体です。
 塩素は黄緑色の気体です。塩素は酸化マンガン(IV)に濃塩酸を加えて熱するか,さらし粉に塩酸を加えて発生させます。
 臭素は赤褐色の液体です。
 ヨウ素は黒紫色の固体です。ヨウ素溶液をしていますね。デンプンの検出に使います。実は,ヨウ素は水には溶けにくいのす。ヨウ素溶液とは,ヨウ素をヨウ化カリウム水溶液に溶かしたものなのです。
 I + I → I
                          
 ハロゲンの単体では,酸化力に差があること,漂白・殺菌作用があることが重要です。酸化力は原子番号が小さいほど強くなっています。
                 

(2) ハロゲンの単体
 <塩素の製法>
   MnO + 4HCl → MnCl + 2HO +Cl
   CaCl(ClO)・HO + 2HCl → CaCl + 2HO + Cl
 <酸化力>
   X + 2e → 2X X原子は還元された
   Cl + 2e → 2Cl
   2I → I + 2e
   すなわち 2I + Cl → I + 2Cl
   酸化力の強さ F>Cl>Br>I     
 <漂白作用・殺菌作用>
   HClOの強い酸化作用
   Cl + HO → HCl + HClO
   HClO + H + 2e → HO + Cl
   酸化数+1                   酸化数−1 酸化数減少→還元された=相手を酸化した(酸化作用)
 ハロゲンの化合物では,ハロゲン化水素,塩素酸塩,さらし粉,ハロゲン化銀などが代表的なものです。
 塩酸は,ハロゲン化水素の一種である塩化水素の水溶液です。濃塩酸は約37%で,12mol/ です。塩化水素は,工業的には,水素と塩素を反応させてつくります。実験室では,塩化ナトリウムに濃硫酸を加えて加熱してつくります。このとき,硫酸水素ナトリウムNaHSOができることに注意して下さい。硫酸ナトリウムNaSOではありませんよ。塩化水素は水に溶けやすく,下方置換法で捕集します。
 フッ化水素HFは,ガラスを溶かす性質があるので,目盛りをつけるのに使われます。
                        
 塩素酸塩の一種である塩素酸カリウムは,加熱すると酸素を発生するので,実験室で酸素を発生させるときに使われます。また,さらし粉は,酸化剤・漂白剤・殺菌剤としてよく使われます。
 ハロゲン化物の塩は,一般には水に溶けやすいものが多いですが,銀塩は溶けにくいのです。銀塩には感光性があり,光が当たると分解して銀が析出します。

(3) ハロゲンの化合物
 <ハロゲン化水素>
   NaCl + HSO → NaHSO + HCl
 <塩素酸塩>
   2KClO → 2KCl + 3O
   触媒としてMnO2を使用
 <さらし粉>
   CaCl(ClO)・HO + 2HCl → CaCl + 2HO + Cl
 <ハロゲン化銀>
   Ag + X → AgX↓ 水に溶けにくい  
   AgCl:白色,AgBr:淡黄色,AgI:黄色
 ハロゲンは反応性が高く,身近なところでよく使われています。塩素系漂白剤には次亜塩素酸塩などがよく使われています。これに強い酸を作用させると,塩素が大量に発生するので危険です。「混ぜるな危険」という表示を見たことはありませんか?
                             
 また,水に溶けにくい塩化物は,塩化銀AgClと塩化鉛PbClの2種類だけと覚えておいてかまいません。塩化鉛は熱湯に溶けるので,塩化銀と区別することができます。
 では,今日の学習内容の確認です。
1.ハロゲンの原子の価電子は何個ですか?→7個
2.ハロゲンの単体で,室温で液体であるのは何ですか?→臭素
3.塩素を実験室で発生させるには,酸化マンガン(IV)に何を加えて加熱しますか?→濃塩酸
4.ハロゲンの単体で酸化力の強いものから順に並べると?→>Cl>Br>I
5.塩素が水に溶けると,その一部は水と反応して何ができますか?→塩化水素HClと次亜塩素酸HClO
6.ハロゲン化水素で,ガラスを溶かすものは何ですか?→フッ化水素HF
7.塩化銀,臭化銀,ヨウ化銀の色はそれぞれ何色ですか。→塩化銀;白色,臭化銀;淡黄色,ヨウ化銀;黄色