2004年8月24日(火) 04ko2-18 T実験26−二酸化硫黄と硫化水素
 今日は,二酸化硫黄と硫化水素の実験です。どちらも硫黄の化合物ですね。二酸化硫黄は亜硫酸ガスともよばれ,刺激臭です。硫化水素は毒性のある腐卵臭の気体です。毒性があるので,ドラフト内で実験を行ってください。

実験26 二酸化硫黄と硫化水素
<二酸化硫黄の発生と性質>
1.燃焼さじに,小さじ1杯の硫黄粉末をとり,火をつけて,乾いた集気瓶の中で燃やす。
                   
2.集気瓶の中に,水で湿らせたpH試験紙,ヨウ素溶液を湿らせたろ紙を入れる。
3.集気瓶に蒸留水を6m 入れ,よく振って2本の試験管に移す。
4.試験管に過マンガン酸カリウム水溶液2mlと希硫酸1m を入れる。
5.一方の試験管に硫酸酸性の過マンガン酸カリウム水溶液を加える。
 実験結果を確認しましょう。

1.炎の色は青色,気体の色は無色,臭いは刺激臭です。白い煙が集気瓶の中にたまりますが,煙は気体ではありません。白い煙は二酸化硫黄ではないので,間違わないようにしてください。
2.pH試験紙は一瞬酸性を示しますが,しばらくすると白色に変化します。これは,二酸化硫黄に漂白作用があるからですね。ヨウ素溶液をしみこませたろ紙も白色に変化します。これは,ヨウ素分子がヨウ化物イオンに変化したためです。
5.過マンガン酸カリウム水溶液は,赤紫色から無色に変化します。これは,過マンガン酸イオンが2価のマンガンイオンに変化したからです。

<硫化水素の生成と性質
以下の操作は,ドラフト内で行う。
6.硫化鉄(II)1gと希硫酸3mをふたまた試験管に別々に入れ,ゴム栓付き誘導管を取り付ける。
            
7.ふたまた試験管を傾けて,希硫酸を硫化鉄(II)側へ移し,発生する気体を操作3でつくったもう1本の二酸化硫黄水溶液に通じる。
8.変化がみられたら誘導管を抜き,ふたまた試験管を傾けて希硫酸を硫化鉄(II)を分離し,気体の発生を止める。
 実験結果を確認しましょう。

7.硫化水素を通じると,しだいに白く濁ってきます。これは,硫黄ができたからです。

1.硫黄を燃やしたときの変化は,
  S+O→SO
2.pH試験紙の色の変化から
 水に溶けると酸性を示すことがわかる。
  ヨウ素溶液をしみこませたろ紙の辺から
 ヨウ素分子をヨウ化物イオンに変化させているから,ヨウ素原子は還元されている。したがって,二酸化硫黄は還元剤としてはたらいていることがわかる。
 SO+2HO→SO2−+4H+2e
 I+2e→2I
3.硫化鉄(II)と硫酸との反応は
 FeS+HSO→FeSO+H
4.操作5の反応は
 二酸化硫黄は還元剤としてはたらいている。
 SO+2HO→SO2−+4H+2e
 MnO+8H+5e→Mn2++4H
  操作7の反応は
 二酸化硫黄は酸化剤としてはたらいている。
 SO+4H+4e→S+2H
 HS→S+2H+2e

硫化水素について,もう少し詳しく説明しましょう。
 水溶液は酸性を示す。
 HS+HO⇔H+HS 
             硫化水素イオン
 HS+HO⇔H+S2− 
              硫化物イオン
 適当なpHで金属イオンを含む水溶液に通じると,各金属特有の有色の硫化物の沈殿を生じる。
 Pb2++HS→PbS(黒色)+2H
 Zn2++HS→ZnS(白色)+2H
 Fe2++HS→FeS(黒色)+2H
 Cu2++HS→CuS(黒色)+2H
 2Ag+HS→AgS(黒色)+2H
硫化水素は還元性を示す。
 HS→S+2H+2e
 H+2H+2e→2H
 HS+H→S+2HO 
      S原子は酸化される
 すごい臭いでしょう。もう二度と二酸化硫黄や硫化水素の実験はやりたくないでしょうね。
 今日の実験のポイントは,次の通りです。
1.二酸化硫黄は,刺激臭のある無色の気体で,水に比較的よく溶け,水溶液は酸性を示します。
2.二酸化硫黄は普通は還元剤としてはたらき,漂白作用もあります。
3.二酸化硫黄の水溶液に硫酸酸性の過マンガン酸カリウム水溶液を加えると,赤紫色が無色に変化します。
4.硫化鉄(II)に希硫酸を加えると,硫化水素が発生します。
5.硫化水素は,腐卵臭で有毒で,水に少し溶け,水溶液は弱い酸性を示します。
6.硫化水素は還元性を示し,二酸化硫黄と反応させると,二酸化硫黄は酸化剤としてはたらきます。