2004年9月9日(木) 04ko2-20 T実験27 硫酸
今日は硫酸の実験です。硫酸は,実験でよく使う試薬ですが,濃硫酸を扱うことはそれほど多くありませんでした。しかし,有機化合物の実験では,濃硫酸を使うことがたびたびあります。濃硫酸の特徴は,脱水作用と発熱です。木や紙や布などの有機物を脱水作用により炭化します。また,水でうすめるときは,激しく発熱します。今日の実験で,濃硫酸の性質を調べ,濃硫酸を安全に使えるようになってください。 |
実験27 硫酸 1.乾いた試験管に濃硫酸を4ml とり,色,におい,粘性などを調べる。 2.濃硫酸をガラス棒につけ,マッチ棒の軸木や紙につける。 3.残りの濃硫酸を,蒸発皿に入れた角砂糖にかける。 4.濃硫酸を乾いた試験管に2ml とり,銅片を加えて穏やかに加熱する。また,発生する気体に湿らせたpH試験紙を近づける。 ![]() 5.試験管に水を6ml とり,その中に2ml の濃硫酸を少しずつ加えながら,液温を測定する。 ![]() 6.5の水溶液を4等分し,銅,亜鉛,塩化バリウム水溶液を1滴加えて変化をみる。 7.残りの水溶液にpH試験紙をつけて液性を調べる。 8.水溶液をガラス棒の先につけ,白い紙に文字を書き,その紙をガスバーナーの炎にかざす。 ![]() |
実験結果を確認しましょう。1.濃硫酸は無色,無臭,粘性があり,密度が大きい。 2.マッチの軸木に濃硫酸をつけると黒くなります。これは脱水作用によるものです。また,紙に濃硫酸をつけると黒くなり,穴があきます。 3.角砂糖に濃硫酸をかけると,角砂糖はしだいに黄色から黒色になり,気体の発生をともなって膨れます。 4.濃硫酸に銅片を入れて加熱すると二酸化硫黄が発生します。二酸化硫黄は無色,刺激臭で,pH試験紙は酸性を示します。 5.水に濃硫酸を加えると温度が上昇します。 6.希硫酸と反応する金属は,亜鉛です。また,塩化バリウム水溶液を加えると,白色沈殿が生じます。これは硫酸バリウムですね。もちろん,希硫酸は酸性を示します。 7.書いた文字が黒く浮き出ます。あぶり出しですね。 それでは,考察です。 |
1.操作2,3での濃硫酸の作用は 脱水作用 2.操作4の変化は Cu+2H2SO4→CuSO4+2H2O+SO2 二酸化硫黄が発生する。 3.硫酸をうすめるときの方法は 硫酸の希釈熱が大きいため,水に硫酸を少しずつ加え,よくかき混ぜる。 4.操作6での亜鉛の反応は Zn+H2SO4→ZnSO4+H2 5.操作6の塩化バリウムとの反応は BaCl2+H2SO4→BaSO4+2HCl 6.濃硫酸の性質 無色,無臭,粘性が大きく,密度が大きい(1.8g/cm3)。吸湿性が大きく乾燥剤として利用できる。脱水作用があり,有機物から水素原子と酸素原子を水分子の割合で奪う。水への希釈熱は大きい。熱濃硫酸は酸化作用があり,銅や銀を溶かして二酸化硫黄を発生する。 7.希硫酸の性質 無色,無臭で,酸性を示し,イオン化傾向の大きい金属を溶かして水素を発生する。硫酸イオンの検出には,硫酸バリウムの白色沈殿の生成が利用される。 |
どうでしたか。濃硫酸の脱水作用のすごさには驚いたでしょう。これから濃硫酸を使う実験では,さらに慎重に取り扱うようにしてください。それでは,今日の実験のポイントです。 1.濃硫酸は無色,無臭で,粘性があります。 2.濃硫酸には脱水作用があります。 3.熱濃硫酸には酸化作用があります。 4.水に濃硫酸を加えると,発熱します。 5.希硫酸に塩化バリウムを加えると,硫酸バリウムの白色沈殿ができます。 |