2004年9月16日(木) 04ko2-22  ケイ素の単体と化合物

ケイ素は,地殻では酸素についで多く存在し,いろいろな酸化物やケイ酸塩が石英,長石,水晶,雲母などの鉱物のかたちで産出されます。
 ケイ素の元素名siliconはラテン語のケイ砂silex(硬い石,火打ち石)に由来するようです。単体は,1823年スウェーデンのベルセーリウスがフッ化ケイ素を金属カリウムで還元することにより単離しました。純粋な結晶は,フランスのドービルが1854年につくったといわれています。
 ケイ素といえば半導体ですね。ところで半導体って何なのでしょうか?銅のように電流をよく通すものを導体といい,プラスチックのように通しにくいものを絶縁体といいますね。この中間にあるものが半導体で,ケイ素以外にはゲルマニウムも半導体です。半導体の結晶中では,共有結合の一部が切れて自由電子が結晶中に飛び出し,電子が飛び出した後にはホール(正孔)といってあたかも正の電荷をもつかのようにふるまいます。このような半導体にごく微量の不純物を加えると,自由電子やホールの数を制御して電気伝導性を大きく変えることができるのです。
            

15 ケイ素の単体と化合物
 (1) ケイ素の単体
    
岩石・鉱物の成分元素として,酸素に次いで多い
    天然に単体は存在しない
    ケイ砂を融解し,コークスで還元
    SiO + 2C → Si + 2CO
    結晶は金属光沢
    電気伝導性は金属と非金属の中間→半導体
    塩基と反応して塩をつくる
    Si + 2NaOH + HO → NaSiO + 2H
 二酸化ケイ素SiOは酸性酸化物であり,水酸化ナトリウムなどの塩基と反応して,ケイ酸イオンが立体的にならんだ骨格構造をもつケイ酸ナトリウムNaSiOとなります。
 ケイ酸ナトリウムを水中で加熱するとナトリウムが水酸化物イオンと置換した水ガラスができます。
 水ガラスを乾燥するとケイ酸mSiO・nHOになり,これをほぼ完全に脱水したものが乾燥剤のシリカゲルです。シリカゲルは表面積が大きいので,表面には水分子だけでなく,気体や色素などを強く吸着することができます。

(2) ケイ素の化合物
  
<二酸化ケイ素>
    石英,ケイ砂,水晶などの主成分
    フッ化水素酸には溶ける
    SiO + 6HF → HSiF(ヘキサフルオロケイ酸) + 2H
    塩基と反応
    SiO + 2NaOH → NaSiO + H
    SiO + NaCO → NaSiO + CO

  <ケイ酸ナトリウム>
    ガラス状の固体
    水を加えて加熱すると,粘性の大きい液体→水ガラス
    塩酸を加えると,半透明コロイド状のケイ酸になる
    NaSiO + 2HCl → HSiO + 2NaCl

  <ケイ酸>
    弱酸
    加熱して脱水→シリカゲル
  
 それでは実験をみてもらいましょう。
 粉末のケイ素0.25gに6mol/ のNaOHaq5m を加え加熱すると,やがて激しく反応します。このとき水素が発生します。次に3mol/ のHCl5m と水10m 加えてろ過します。このろ液に少しずつ3mol/ のHClを4m 加えると,ゲル化します。
 また,水でうすめた水ガラスにフェノールフタレイン溶液を加え,3mol/ のHClを加えていってもゲル化します。このゲルは,どうしてもさわりたい衝動に駆られます。
 陶磁器,ガラス,ほうろう,セメントなどは,私たちの生活に関係の深いものです。そのような製品は,ケイ砂塩工業または窯業でつくられます。
         

(3)ケイ酸塩工業
   
ガラス,セメント,陶磁器
   製品→硬く,不燃性,耐熱性,電気絶縁性,化学薬品に強い
 人類は,大昔石器を使っていました。次に,金属を使いました,さらにプラスチックを使いました。そして,再び石器に戻ろうとしています。それが,セラミックスです。セラミックス製品は,あなたのまわりにもきっとあるでしょう。
 それでは,今日の学習内容の確認です。
1.石英や水晶,ケイ砂の主成分は何ですか。→二酸化ケイ素SiO
2.二酸化ケイ素が何に溶けるとヘキサフルオロケイ酸HSiFになりますか?→フッ化水素酸
3.ケイ酸ナトリウムは,水を加えて加熱すると,粘性の大きい液体になります。これを何といいますか?→水ガラス
4.3の粘性の大きい液体に塩酸を加えると,半透明ゼリー状のものが生じます。これを何といいますか?→ケイ酸
5.4を加熱して脱水すると乾燥剤や吸着剤として利用されるものができます。これは何ですか?→シリカゲル
6.塩化コバルト(II)を含む5は,乾燥時と吸湿後はそれぞれ何色を示しますか?→乾燥時;青色,吸湿後;赤色