2004年9月30日(木) 04ko2-23 1族・2族の単体と化合物

 今日は,1族元素の単体と化合物,2族元素の単体と化合物について勉強しましょう。
 今日の学習内容は,次の通りです。
(1)アルカリ金属元素
(2)2族元素
(3)単体の性質
(4)アンモニアソーダ法
(5)化合物の共通点
 水素以外の1族元素をアルカリ金属といいます。ベリリウムBeとマグネシウムMg以外の2族元素をアルカリ土類金属といいます。
 アルカリ金属には,リチウムLi,ナトリウムNa,カリウムKなどがあります。
 リチウムはスウェーデンのアルフェドソンが1817年にペタル石から発見しました。ギリシャ語の石lithosにちなんだ名前です。
 ナトリウムはイギリスのデービーが水酸化ナトリウムを電気分解して,1807年に単離しました。ナトリウムはラテン名であり,炭酸ナトリウムのラテン名natronにちなんでいます。英語名のsodiumはアラビア語のソーダによるようです。単体はナイフで切れるほど軟らかく,水に浮きます。水と激しく反応して水素を発生します。金属ナトリウムを水に入れると,融解熱のためとけて球形になり,水の上を動き回ります。ナトリウムは,空気中の酸素や水分と反応しますから,石油中で保存します。
                  
 カリウムはイギリスのデービーが水酸化カリウムを電気分解して,1807年に単離しました。カリウムの英語名はpotash(草木灰)+iumとしてデービーにより付けられました。金属カリウムは空気中で速やかに酸化され,水とは爆発的に反応します。このため,石油中で保存します。
                  

16 1族・2族の単体と化合物
(1) アルカリ金属元素
   Li lithium ペタル石
   Na sodium 炭酸ナトリウムNatron
   K potassium 草木灰potash+ium
   価電子が1個→1価の陽イオンになりやすい
 2族元素のうち,ベリリウムとマグネシウム以外をアルカリ土類元素といい,カルシウム,ストロンチウム,バリウムなどがあります。
 ベリリウムは緑柱石ベリル3BeO・Al・6SiOの成分として天然に存在するので,ドイツのクラップロードが命名しました。緑柱石で深緑色のきれいな結晶はエメラルドの宝石です。1828年にドイツのウェーラーとフランスのビュッシーがそれぞれ独自に緑柱石から単体を分離しました。
                        
 マグネシウムは1828年にフランスのビュッシーが無水塩化マグネシウムを金属カリウムとともに溶解して純粋な金属マグネシウムを初めて分離しました。名前はギリシャ語のマグネシア地方からマグネシウム鉱石である滑石が産出することに由来し,デービーが命名しました。
 カルシウムは融解電解法により,デービーが単離しました。また,デービーにより命名されました。石灰石や石灰を示す言葉calcisに,金属元素共通の-iumを結合させました。
 ストロンチウムはスコットランドのStrontian地方特産のストロンチアン石に炭酸ストロンチウムとして含まれていることに由来します。1787年にイギリスのホープが発見しました。1808年にデービーは電解法を用いて金属ストロンチウムの単離に成功し,ストロンチウムと命名しました。
                        
 バリウムはデービーがギリシャ語の重いbarysに由来してバリウムと命名しました。純粋な金属バリウムは,1901年グンツが水素化バリウムを分解して得ました。

(2) 2族元素
   Be beryllium 緑柱石
   Mg magnesium マグネシア地方産の滑石
   以下アルカリ土類金属
   Ca calcium 石灰石calcis+ium
   Sr strontium スコットランド地方のストロンチアン石
   Ba barium 重いbarys 重晶石BaSO
   価電子が2個→2価の陽イオンになりやすい
 アルカリ金属の単体は,化合物の融解塩電解によって得られ,石油中に保存されます。どれも銀白色の密度の小さい金属であり,比較的軟らかく,融点も低いです。中でも,リチウム,ナトリウム,カリウムの密度は1より小さいから水に浮きます。ただし,冷水とも激しく反応して水素を発生します。
 2族元素の単体は,銀白色の金属で,化合物の融解塩電解などでつくられます。密度はアルカリ金属に次いで小さいです。アルカリ金属とアルカリ土類金属は,ともに炎色反応を示します。
    

3) 単体の性質
          アルカリ金属 アルカリ土類金属
   密度        小    アルカリ金属に次いで小
   融点        低         −
   炎色反応     有         有
   その他   比較的軟らかい    − 
 炭酸ナトリウムはガラスなどの原料として広く使われています。この物質は,アンモニアソーダ法またはソルベー法という方法でつくられます。
        

(4) アンモニアソーダ法
   NaCl + NH + HO + CO → NaHCO + NHCl
   2NaHCO → NaCO + HO + CO
 1族元素,2族元素の化合物には,いくつかの共通した性質があります。例えば酸化物は塩基性酸化物であり,水と反応して水酸化物ができます。また,酸化物は酸と反応して塩ができます。
 さらに,水酸化物は強塩基であり,二酸化炭素と反応して炭酸塩ができます。
 炭酸塩や炭酸水素塩は塩酸と反応して二酸化炭素を発生します。これは,弱酸の塩に強酸を作用させると,強酸の塩ができて弱酸が遊離する現象の代表例です。
 また,炭酸水素塩は熱分解しやすいことも重要です。

(5) 化合物の共通点
  <塩基性酸化物>
   酸化物 + HO → 水酸化物
   NaO + HO → 2NaOH
   CaO + HO → Ca(OH)
   酸化物 + 酸 → 塩
   NaO + 2HCl → 2NaCl + H
   CaO + 2HCl → CaCl + H

  <水酸化物は強塩基>
   NaOH → Na + OH
   Ca(OH) → Ca2+ + 2OH

  <炭酸塩と塩酸の反応>
   NaCO + 2HCl → 2NaCl + HO + CO
   CaCO + 2HCl → CaCl + HO + CO

  <炭酸水素塩の熱分解>
   炭酸水素塩は,熱分解しやすい。
   2NaHCO → NaCO + HO + CO
   Ca(HCO) → CaCO + HO + CO
 台所には,ベーキングパウダーまたはふくらし粉があるでしょう。主成分は炭酸水素ナトリウムです。熱分解により二酸化炭素が発生するのですね。
               
 胃もたれしたときに飲む薬の多くは,やはり炭酸水素ナトリウムが主成分です。胃液と中和させるのですね。
         
 発泡入浴剤の主成分も炭酸水素ナトリウムです。
               
 このように,生活の中で炭酸水素ナトリウムが多く使われているのです。炭酸水素ナトリウムは,1族のアルカリ金属の代表的な化合物なのです。
 また,2族元素の硫酸塩も,私たちの生活に関係が深いですね。例えば,硫酸カルシウム二水和物CaSO・2HOをセッコウといいます。セッコウは壁の塗装,陶磁器の型,ギブスなどに使われます。セッコウにお世話になった人はいませんか。
         
また,硫酸バリウムBaSOはX線造影剤として用いられます。私も毎年飲んでいます。
             
 それでは,今日の学習内容の確認です。
1.水素以外の1族元素を何といいますか?→アルカリ金属
2.1の単体は水と反応するので,何の中で保存されますか?→石油
3.物質を炎の中で熱したとき炎が着色する現象を何といいますか?→炎色反応
4.塩化ナトリウムの飽和水溶液にアンモニアを十分吸収させてから二酸化炭素を吹き込むと,比較的水に溶けにくい炭酸水素ナトリウムが沈殿します。この沈殿を分離して約200℃で焼くと何が得られますか?また,この工業的製法を何といいますか?→炭酸ナトリウムNaCO,アンモニアソーダ法(ソルベー法)
5.BeとMg以外の2族元素を何といいますか?→アルカリ土類金属
6.5の単体と,1の単体では,どちらが反応性が高いですか?→1(アルカリ金属)の単体
7.石灰石や大理石の主成分は何ですか?→炭酸カルシウムCaCO
8.石灰水は何の水溶液ですか?→水酸化カルシウムCa(OH)
9.硫酸マグネシウムと硫酸バリウムのうち,水に溶けにくいのはどちらですか。化学式で答えなさい。→BaSO