2004年9月30日(木) 04ko2-24 T実験22−2族元素の化合物

 今日は,2族元素の化合物について,実験を通して学びましょう。2族元素のマグネシウムと,アルカリ土類元素のカルシウムやバリウムとの違いがポイントです。
 まず,最初に炎色反応を見てもらいます。炎色反応は,ふつう白金線を使って行いますが,今日は蒸発皿でメタノールを燃やす方法で見てもらいます。ダイナミックな炎色反応を楽しんでください。

実験22 2族元素の化合物
<カルシウム化合物>
1.蒸発皿に親指大の酸化カルシウムをとり,純水を少量加えて反応を見る。反応後の物質を小さじ1杯試験管に取り,,少量の水を加えたのち,フェノールフタレイン溶液を1滴加える。
  

2.ふたまた試験管に炭酸カルシウム1gと希塩酸10m を取って反応させ,発生した気体を石灰水中に通す。
3.操作2の石灰水に沸騰石を加え,変化が見られるまで煮沸する。
  

<2族元素の炭酸塩と硫酸塩>
4.塩化マグネシウム,塩化カルシウム,塩化バリウムの各水溶液を,3本の試験管に1m ずつ取る。それぞれに炭酸ナトリウム水溶液を1m ずつ加える。
5.
塩化マグネシウム,塩化カルシウム,塩化バリウムの各水溶液を,新たに3本の試験管に1m ずつ取る。それぞれに硫酸ナトリウム水溶液を1m ずつ加える。塩化カルシウムについて沈殿が見られないときは,溶液と試験管の接触面をガラス棒でこする。
Mg2+ Ca2+ Ba2+
CO2−(化学式もかく)
SO2−(化学式もかく)
6.操作4,5のバリウムの化合物の沈殿に,塩酸(2mol/ )を2m ずつ加える。
<炎色反応>
7.蒸発皿に下の表の塩を,それぞれ少量入れ,さらに水を数滴加えて溶かす。
8.蒸発皿にメタノールを5m ずつ加え,
メタノールに点火し,炎の色を観察する。
LiCl NaCl KCl MgCl CaCl SrCl BaCl CuCl







 実験の結果を確認をしましょう。

 操作1では,酸化カルシウムに水を加えると,湯気が噴き出し,激しく反応します。フェノールフタレイン溶液を加えると,濃い赤色を呈します。これは,酸化カルシウムが水と反応して水酸化カルシウムになったからです。
 操作2では,二酸化炭素を石灰水の中に通すと最初は白濁しますが,二酸化炭素を通し続けるとやがて白濁が消え,透明な溶液になります。これは白濁の原因は水に溶けにくい炭酸カルシウムですが,炭酸カルシウムがさらに二酸化炭素と水と反応して水に溶けやすい炭酸水素カルシウムに変わったからです。
 操作3では,加熱すると溶液は再び白濁します。これは,炭酸水素カルシウムが熱分解し,水に溶けにくい炭酸カルシウムと水と二酸化炭素になったからです。
 操作4,5の結果は,次のようになります。  
Mg2+ Ca2+ Ba2+
CO2−(化学式もかく) 白濁MgCO 白濁CaCO 白濁BaCO
SO2−(化学式もかく) 変化無し 白濁CaSO 白濁BaSO
 沈殿はいずれも白色です。
 操作6では,炭酸バリウムは,二酸化炭素を発生させながら溶けます。しかし,硫酸バリウムは変化がありません。
 操作7,8の結果は,次のようになります。
LiCl NaCl KCl MgCl CaCl SrCl BaCl CuCl
赤色 黄色 赤紫色 なし 橙赤色 深赤色 黄緑色 青緑色

 それでは考察です。

1.酸化カルシウムと水の反応は,
  CaO + HO → Ca(OH)
  炭酸カルシウムと塩酸の反応は,
  CaCO + 2HCl → CaCl + HO + CO
  石灰水と二酸化炭素の反応は,
  Ca(OH) + CO → CaCO + H
  CaCO + CO + HO → Ca(HCO
  炭酸水素カルシウムを加熱したときの反応は,
  Ca(HCO2 → CaCO + CO + HO 
  炭酸バリウムと塩酸との反応は,
  BaCO + 2HCl → BaCl + HO + CO
2.マグネシウムとカルシウムやバリウムとの違いは,
Mg Ca,Ba
炎色反応 示さない 橙赤色,黄緑色など特有な炎色反応を示す。
冷水 冷水と反応しない。 冷水と反応する。
水酸化物の液性 水酸化物Mg(OH)は弱塩基性 水酸化物は強塩基性
水酸化物の溶解度 水酸化物Mg(OH)は水に難溶 水酸化物は水に可溶
硫酸塩の溶解度 硫酸塩MgSOは水に可溶 硫酸塩は水に難溶

 石灰水に二酸化炭素を通じると白く濁ることは小学校でも習います。しかし,二酸化炭素を通じ続けると,白色沈殿が消えることは知らなかったですね。炭酸水素カルシウムに変わってしまったのです。さらに炭酸水素カルシウムは熱分解します。炭酸水素ナトリウムとよく似た性質ですね。
 それにしても,炎色反応はきれいでしたね。だから,化学は止められない。
       
 今日の実験のポイントは,次の通りです。
1.酸化カルシウムCaOが水と反応すると水酸化カルシウムCa(OH)になります。水酸化カルシウム水溶液は,強い塩基性です。
2.炭酸カルシウムCaCOに塩酸HClを加えると,二酸化炭素COが発生します。このとき,二酸化炭素以外に塩化カルシウムCaClと水HOも生成しています。
3.石灰水Ca(OH)の中に二酸化炭素を通すと,白濁します。これは水に溶けにくい炭酸カルシウムCaCOができたからです。このとき,炭酸カルシウム以外に水HOもできます。さらに二酸化炭素を通し続けると,白濁が消えます。これは水に溶けやすい炭酸水素カルシウムCa(HCOができたからです。
4.炭酸水素カルシウムCa(HCOを加熱すると,再び白濁します。これは炭酸水素カルシウムが熱分解し,再び水に溶けにくい炭酸カルシウムCaCOができたからです。このとき,炭酸カルシウム以外に,水HOと二酸化炭素COも生成しています。
5.炭酸マグネシウムMgCOは水に溶けにくいですが,硫酸マグネシウムMgSOはよく溶けます。カルシウムやバリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩や硫酸塩は,水に溶けにくいですね。