今日は,銅の単体と金属銅の実験です。銅は,11族の遷移元素であり,イオン化傾向が小さいという特徴があります。まず,最初に粉末銅から銅(II)イオンCu2+をつくります。 |
実験30 銅の単体と化合物 1.粉末銅0.5gを50ml のビーカーに入れ,6mol/l 硫酸H2SO410ml と10%過酸化水素水H2O25ml を加え,穏やかに加熱する。粉末銅が残っていれば,さらに少量の過酸化水素水を加える。 ![]() 2.粉末銅がなくなり,青色の結晶が現れてくれば,加熱を止める。50ml のビーカーを200ml のビーカーに入れた氷水につけ,結晶を析出させる。メタノール10ml で結晶を洗った後,ろ過する。結晶を取り出して,ろ紙ではさんで水分をとる。 ![]() |
実験結果の確認をしましょう。したがって,生成物は青色の硫酸銅(II)五水和物CuSO4・5H2Oということになりますね。 硫酸銅(II)五水和物CuSO4・5H2Oは水にはよく溶けますが,メタノールには溶けにくいのですね。 |
3.青色の結晶を試験管に移し,加熱する。 ![]() 4.3の試験管を放冷した後,1ml の純水を加えて試験管の底に手を触れる。さらに5ml の純水を加えてよく振り,結晶を溶かす。 5.4の水溶液に6mol/l 水酸化ナトリウムNaOH水溶液を数ml 加え,水酸化銅(II)Cu(OH)2の沈殿をつくる。よく混ぜて沈殿が青白色であれば,さらに少量の水酸化ナトリウム水溶液を加えて青色の沈殿にする。 |
実験結果の確認をしましょう。銅(II)イオンCu2+に塩基を加えると,水酸化銅(II)Cu(OH)2の沈殿ができます。実験では行っていませんが,過剰のアンモニアを加えると,鮮やかな深青色の溶液になります。これは,テトラアンミン銅(II)イオン[Cu(NH3)4]2+という錯イオンができるからです。 |
6.5の水酸化銅(II)Cu(OH)2の入った試験管を,穏やかに加熱し,酸化銅(II)CuOに変化させる。 ![]() 7.酸化銅(II)の入った試験管に6mol/l 硫酸H2SO410ml を1〜2ml 加えて沈殿を溶かす。 8.7の試験管に鉄釘を入れて,析出する物質,および水溶液の色の変化を観察する。 |
実験結果の確認をしましょう。この青色の水溶液には銅イオン(II)Cu2+が含まれていますから,鉄を入れるとイオン化傾向の違いにより,単体の銅が析出します。 それでは,考察です。 |
1.金属銅の変化をまとめると
H2O2 + 2H+ + 2e− → 2H2O Cu → Cu2+ + 2e− よって, Cu + H2O2 + 2H+ → Cu2+ + 2H2O 3.5の沈殿反応は Cu2+ + 2OH− → Cu(OH)2 4.6の反応は Cu(OH)2 → CuO + H2O 5.7の反応は CuO+H2SO4→CuSO4+H2O 6.8の反応は Fe → Fe2+ + 2e− (酸化された) Cu2+ + 2e− → Cu (還元された) よって, Fe + Cu2+ → Fe2+ + Cu 銅の反応をまとめると,次のようになる。 ![]() |
今日の実験のポントは,次の通りです。1.金属銅に酸化作用のある酸を作用させると,青色の銅(II)イオンCu2+に変化します。 2.青色の硫酸銅(II)五水和物CuSO4・5H2Oを加熱すると,白色の硫酸銅(II)CuSO4に変化kします。 3.白色の硫酸銅(II)CuSO4に水を加えると,青色の硫酸銅(II)五水和物CuSO4・5H2Oに戻ります。 4.青色の硫酸銅(II)五水和物CuSO4・5H2Oの水溶液を加熱すると,黒色の酸化銅(II)CuOに変化します。 5.黒色の酸化銅(II)CuOに希硫酸を加えると,青色の水溶液に戻ります。これは,硫酸銅(II)五水和物CuSO4・5H2Oの水溶液です。 6.青色の酸銅(II)五水和物CuSO4・5H2Oの水溶液に鉄を入れると,銅が析出します。 |