脂肪族炭化水素の復習を兼ねて,炭素数6のアルカンを紹介しましょう。ヘキサンにはいくつ構造異性体があるかわかりますか。
(1)シクロアルカン (2)シクロアルケン (3)ベンゼン 脂環式炭化水素にはシクロアルカンとシクロアルケンがあります。ベンゼンは,芳香族炭化水素の仲間です。 ![]() |
23 脂環式炭化水素と芳香族炭化水素 (1)シクロアルカン cycloalkane CnH2n(n≧3) 環状構造を含む飽和炭化水素 アルケンの異性体 n=3 C3H6 シクロプロパン cyclopropane n=4 C4H8 シクロブタン cyclobutane n=5 C5H10 シクロペンタン cyclopentane
n=6 C6H12 シクロヘキサン cyclohexane
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次にシクロアルケンについて説明しましょう。 |
(2)シクロアルケン cycloalkene (n≧3) 環状構造中に二重結合を1個もつ炭化水素 n=3 C3H4 シクロプロペン cyclopropene n=4 C4H6 シクロブテン cyclobutene n=5 C5H8 シクロペンテン cyclopentene
n=6 C6H10 シクロヘキセン cyclohexene
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ベンゼンはの化学式がC6H6ですから,C=Cが3つあるはずです。しかし,不飽和結合の特徴である付加反応をしません。いったいどのような構造をしているのでしょうか。ベンゼンの構造決定には,長い年月が必要でした。単結合と二重結合とでは,結合距離が違います。二重結合の方が短いのです。ところが,ベンゼンは正六角形の平面構造をしていることがわかっています。つまり,炭素原子と炭素原子の結合は,単結合ではなく,また,二重結合でもないということになります。 ![]() |
(3)ベンゼン benzene C6H6 C−C単結合の長さ=0.154nm nano=10−9 C=C二重結合の長さ=0.133nm ベンゼン…1辺が0.140nmの正六角形→単結合と二重結合の中間の状態 付加反応しにくい,置換反応の方が起こりやすい→不飽和結合の性質がない
2置換体が3種類ある
1置換体は1種類しかない
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また,ベンゼンの2置換体が3種類有り,1置換体が1種類しかないということは,6個の水素原子は同等であり,6個の炭素原子も同等であることを意味しています。ところで,ベンゼンを発見した人は誰か知っていますか。実はマイケル・ファラデーが1825年に発見しているのです。ファラデーといえば電気分解を思い出す人が多いと思いますが。 ![]() そして,ベンゼンの正六角形構造説を提唱したのがドイツのケクレです。1865年のことです。彼の言葉を紹介します。「たまたま教科書執筆中容易に考えがまとまらないで,やむを得ず暖炉に椅子を寄せて仮眠におち入った。またもや原子は眼前におどり出した。今度は小さい原子が背後におとなしく引き下がって,大きな構造が眼の前にあらわれた。いろいろの形をとって,長い列をつくり,ヘビのようにからみ合ってきた。みよ!一つのヘビがほかのヘビの尾をくわえた。そして眼の前をぐるぐる廻った。自分は電撃を受けたように目をさました。今度もまた一晩中かかって構造を画いてみた。」こうしてベンゼンの有名な六角形の式がつくり出されました。 それでは,今日の学習内容の確認です。 1.シクロアルカンの一般式は?→CnH2n 2.シクロアルカンの主な反応は?→置換反応 3.シクロアルケンの主な反応は?→付加反応 4.ベンゼン環のかたちは?→正六角形の平面構造 5.ベンゼンは付加反応を起こしやすいですか,起こしにくいですか?→起こしにくい |