2005年1月13日(木) 04ko2-39 アルコールとエーテル
 今日は,アルコールとエーテルについて学びましょう。お酒やみりんにはアルコールの1種であるエタノールが含まれています。
    
 今日の学習内容は,次の通りです。
(1)アルコール
(2)アルコールの性質
(3)エーテル
 それでは,アルコールからはじめましょう。

24 アルコールとエーテル
(1)アルコールalcohol
 炭化水素の水素原子をヒドロキシ基−OHで置換した形の化合物
 CH methane → CHOH methanol
メタン methane メタノール methanol

 
 ethane → COH ethanol
エタン ehtane エタノール ethanol

 
 propane → COH propanol
プロパン prppane 1-プロパノール 1-propanol

 
プロパノールには,2種類の構造異性体がある。
1-プロパノール 1-propanol 2-プロパノール 2-propanol

 
10 butane → COH butanol
n-ブタン n-butane 1-ブタノール 1-butanol
 ブタンには2種類の構造異性体がある。
 ブタノールには4種類の構造異性体がある。 

 
12 pentane → C11OH pentanol
n-ペンタン n-pentane 1-ペンタノール 1-pentanol
 ペンタンには3種類の構造異性体がある。
 ペンタノールには8種類の構造異性体がある。 

 ブタノールやペンタノールの構造異性体を考えてみましょう。ブタノールの構造異性体には,1-ブタノール,2-メチル-1-プロパノール,2-ブタノール,2-メチル-2-プロパノールがあります。また,ペンタノールの構造異性体には,1-ペンタノール,3-メチル-1-ブタノール(イソアミルアルコール),2-メチル-1-ブタノール(活性アミルアルコール),2,2-ジメチル-1-プロパノール,2-ペンタノール,3-メチル-2-ブタノール,3-ペンタノール,2-メチル-2-ブタノールがあります。
 次は,アルコールの性質について考えてみます。

(2)アルコールの性質
<Naとの反応>
 2R−OH + 2Na → 2R−ONa + H
                ナトリウムアルコキシド

<酸化>
          酸化 
R−CH−OH → R−CHO
 第一級アルコール  アルデヒド
 炭素数4の第一級アルコールには,1-ブタノールや2-メチル-1-プロパノールがある。 
1-ブタノール 1-butanol 2-メチル-1-プロパノール
2-methyl-1-propanol

 RR’CH−OH   →   RR’C=O
 第二級アルコール 酸化 ケトン
 炭素数4の第二級アルコールには2-ブタノールがある。
2-ブタノール 2-butanol

 第三級アルコールは酸化されにくい
 炭素数4の第三級アルコールには2-メチル-2-プロパノールがある。
2-メチル-2-プロパノール 2-methyl-2-propanol

 アルコールに適当な酸化剤を加えて酸化すると,第一級アルコールはアルデヒドになります。たとえば,エタノールCHCHOHを酸化するとアセトアルデヒドCHCHOになります。このアセトアルデヒドをさらに酸化すると酢酸CHCOOHになりますが,詳しいことは,アルデヒドのところで説明しましょう。第二級アルコールを酸化すると,ケトンになります。たとえば2-プロパノールCHCH(OH)CHを酸化すると,アセトンCHCOCHになります。また,第三級アルコールは酸化されにくいことも覚えておきましょう。
 次はエーテルです。酸素原子に2個の炭化水素基が結合した形の化合物です。

(3)エーテル
 CH−O−CH
ジメチルエーテル dimetyl ether

 
CH−O−C
エチルメチルエーテル ethyl methyl ether(アルファベットの順)

 
−O−C
ジエチルエーテル diethyl ether

 
エタノールに濃硫酸を加えて約140℃で加熱するとジエチルエーテルが生じる
        HSO
 2COH → C−O−C + HO (縮合)
        140℃
 縮合…2つの分子から水のような簡単な分子がとれて1つの分子ができること。
 C−O− + HO−C → C−O−C + 

 エタノールに濃硫酸を加えて約160℃以上で加熱するとエチレンを生じる
       HSO
 COH → C + HO (脱離)
       160℃
 脱離…水などの小さい分子がとれて二重結合を生じる反応
     OH
 |   |
 CH−CH → CH=CH + 

 エタノールに濃硫酸を加えて加熱すると,温度によって生成物が違うのです。少しややこしいですが,縮合の方が脱離より低い温度(少ないエネルギー)で起こる,すなわち起こりやすいことを理解しておけば大丈夫だと思います。とくに縮合は,この後何度も出てきます。
 ところで,炭素数の等しいアルコールとエーテルを比較すると,沸点の違いに気がつくと思います。エタノールの沸点は78℃ですが,ジメチルエーテルの沸点は−25℃です。この違いを説明できますか。アルコール分子どうしは水素結合で結ばれています。これに対してエーテルは分子の極性が小さいので,分子間の引き合いが小さいのです。
 それでは,今日の学習内容の確認です。
1.アルコールに共通する官能基は何ですか?→ヒドロキシ基(−OH)
2.アルコールは,分子量の似た炭化水素に比べて融点や沸点は高いですか,低いですか?→高い
3.アルコールがナトリウムNaと反応すると,何ができますか?→ナトリウムアルコキシド(ナトリウムアルコラート)と水素
4.第一級アルコールを酸化すると,何ができますか?→アルデヒド
5.第二級アルコールを酸化すると,何ができますか?→ケトン
6.エタノールに濃硫酸を加え,約140℃で加熱すると,何ができますか?→ジエチルエーテル
7.エタノールに濃硫酸を加え,約160℃以上で加熱すると,何ができますか?→エチレン