2005年1月13日(木) 04ko2-40 I 実験37−アルコール
4種類のアルコール,メタノールCH3OH,エタノールC2H5OH,1-プロパノールC3H7OH,1-ブタノールC4H9OHの性質を調べましょう。まず色,におい,そして水への溶解性の観察です。 |
実験37 アルコール <炭素数の増加と性質の違い> 1.3本の試験管にエタノールC2H5OH,1-プロパノールC3H7OH,1-ブタノールC4H9OHを1ml ずつ入れ,色,においを調べる。 2.1の3本の試験管に,それぞれ水を3ml ずつ加えてよく振り,溶解性を調べる。
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エタノール,1-プロパノールは,任意の割合で水に溶解します。しかし,1-ブタノールは水には少量溶ける程度で,1-ペンタノールは微量しか溶けません。これは,どうしてでしょう。アルコールは水と水素結合するヒドロキシル基−OHがありますね。これは親水基です。しかし,疎水基の炭化水素基が大きくなると,水に溶けにくくなるのです。ところで,ナトリウムは水と激しく反応して水素を発生することを知っていますね。 2Na+2H2O→2NaOH+H2↑ では,アルコールではどうでしょうか。 |
<アルコールとナトリウムとの反応> 3.3本の試験管に水,エタノール,1-ブタノールを2ml ずつ入れ,米粒大のナトリウムを入れて反応のようすをみる。気体が発生すれば,スクリュー管の蓋を試験管の口にのせ,発生する気体が十分に集まったら,管口にマッチの火を近づける。 |
発生した気体は水素ですね。反応の激しさは,水>エタノール>1-ブタノールの順になります。次は,エタノールの検出方法の実験です。 |
<エタノールの検出(ヨードホルム反応)> 4−1.2本の試験管に,メタノールとエタノールをそれぞれ5滴程度とり,ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液をそれぞれ1ml ずつ加える。 4−2.よく混ぜた後,50℃程度の湯につける。 4−3.6mol/l の水酸化ナトリウム水溶液を1滴加え,よく振る。溶液がふたたび褐色になれば,さらに水酸化ナトリウム水溶液を1滴加える。溶液が濁るまでこの操作を繰り返す。液が濁れば,しばらく静置し,沈殿の色とにおいを調べる。 |
エタノールの方は,ヨードホルムCHI3が沈殿しましたね。ヨードホルムの沈殿は黄色で,特異臭がします。このヨードホルムができる反応をヨードホルム反応といいます。エタノールではヨードホルム反応を示しますが,メタノールでは示しません。ヨードホルム反応は,メチルケトン類の検出に使われまが,詳しいことはケトンのところで説明しましょう。ここでは,エタノールの検出方法の1つであると理解しておいて下さい。 |
エタノールはヨードホルム反応を示し,黄色で特異臭のヨードホルムが沈殿する。 |
それでは,考察です。![]() |
1.水に対する溶解度に差が見られたのは, アルコールは,炭化水素基(疎水基)とヒドロキシル基(親水基)からなっている。ヒドロキシル基は,水分子と水素結合して水に溶け込もうとする。一方,炭化水素基は,水に溶解しないようにはたらく。したがって,炭素数の大きいアルコールでは炭化水素基の作用が強くなり,水に溶けにくくなる。 2.Naとの反応の激しさに差が見られたのは, 水の方がアルコールより常温で電離度が大きく,ナトリウムと激しく反応する。アルコールは,アルキル基の部分が小さいほど電離度が大きいので,反応性が大きくなる。 3.水とNaの反応やエタノールとNaの反応を化学反応式で表すと, 2H2O+2Na→2NaOH+H2 2C2H5OH+2Na→2C2H5ONa+H2 3.操作4-3で見られた反応は, ヨードホルム反応 アルコールの水への溶解性について,もう少し詳しく説明しましょう。 1-ブタノールを境にして,直鎖の炭素数の大きいアルコールは水に溶けにくい。1-ブタノールの水への溶解度は7.36g/水100gである。1-ペンタノールの溶解度は微量である。 ヨードホルム反応について,もう少し詳しく説明しましょう。 ヨードホルム反応を示すのは,CH3CO-(アセチル基)をもつアセトアルデヒドやアセトン,酸化されてアセチル基になるCH3CH(OH)-の構造をもつエタノールや2-プロパノールなどである。鋭敏な反応で,エタノールやアセトンの検出に用いられる。 |
アルコールの性質は,ヒドロキシ基−OHによるものです。このヒドロキシル基が,水への溶解性,ナトリウムとの反応などに関係しています。 ![]() 今日の実験のポイントは,次の通りです。 1.メタノール,エタノール,1-プロパノールは水によく溶けますが,1-ブタノールはあまり溶けません。 2.エタノール,1-ブタノールともにナトリウムと反応します。反応の激しさは,水>エタノール>1-ブタノールの順になります。 3.エタノールは,ヨードホルム反応が見られます。エタノール以外に,アセチル基をもつアセトアルデヒドやアセトン,酸化されてアセチル基になるCH3CH(OH)-の構造をもつ2-プロパノールなども,ヨードホルム反応が見られます。 |