今日は,アミノ酸について学びましょう。皆さんの家の台所には,うまみ調味料があるでしょう。主成分は,グルタミン酸ナトリウムです。グルタミン酸というアミノ酸のナトリウム塩ですね。化学調味料は,日本の池田菊苗(イケダキクナエ)氏が1908年に製造しています。薩摩藩士池田春苗の次男として京都に生まれる。昆布のうまみ成分を追い、鈴木三郎助の協力を得て、1908年グルタミン酸ソーダを主成分とする、調味料製法の特許を得、1909年「味の素」の商品名で発表した。1901年5〜6月のロンドン滞在中、夏目漱石と同じ下宿で暮らしともに語り合った。 また,私たちの体はタンパク質からできていますが,そのタンパク質の構成単位がアミノ酸なのです。このように,アミノ酸は,私たちの生活や私たち自身に,とても関係の深いものです。 ![]() 今日の勉強の具体的な内容は,次の通りです。 (1)アミノ酸 (2)光学異性体 (3)双性イオン それでは,最初はアミノ酸についてです。アミノ基とカルボキシル基に注意しましょう。 |
14 アミノ酸 (1)アミノ酸 amino acids 分子中にアミノ基−NH2とカルボキシル基−COOHをもつ化合物 α−アミノ酸…カルボキシル基のついている炭素原子にアミノ基がついているアミノ酸 ![]() |
グリシンの分子モデルを紹介しましょう。![]() ![]() ところで,光学異性体を覚えていますか。その前に,異性体の復習をした方が良さそうですね。 分子式が同じで性質の異なる化合物が異性体です。異性体には,構造異性体,立体異性体などがあります。立体異性体には,幾何異性体(シス・トランス)以外に光学異性体があります。 光学異性体は,互いに鏡像の関係にあって,重ね合わすことができない構造ですね。以前に乳酸や酒石酸で勉強したはずです。グリシン以外のα-アミノ酸には光学異性体が存在するのです。しかし,自然とは不思議なもので,ほとんどがその異性体の片方しか存在しないのです。 |
(2)光学異性体 グリシン以外のアミノ酸のα-炭素原子=不斉炭素原子 光学異性体が存在する 天然のタンパク質を構成するα-アミノ酸→ほとんどがL型 ![]() |
主なα−アミノ酸のL型とD型のモデルを紹介しましょう。
ところで,構造がよく似た分子では,一般に分子量が大きいほど分子間力が強くなり,融点・沸点が高くなりましたね。 glycine NH2CH2COOH(分子量75)融点290℃(分解) propionic acid CH3CH2COOH(分子量74)融点21℃ この違いは,どのように説明すればよいのでしょうか。実は,アミノ酸にはイオン結晶に似た性質があるのです。 |
(3)双性イオン 両性化合物…酸と塩基の両方の性質 分子内塩→イオン結晶に似た性質=水に溶けやすい, 融点(分解点)が高い ![]() 水溶液中では,陽イオン⇔双性イオン⇔陰イオン pHの変化により,その比率が変わる 平衡混合物の電荷が全体として0のときのpH→等電点 (例)グリシン pH5.97 アラニン pH6.00 グルタミン酸 pH3.22 リシン pH9.74 ![]() |
最後に,アスパムテームについて触れておきましょう。これはアスパラギン酸とフェニルアラニンから誘導された人工甘味料で,砂糖の約200倍の甘みを示します。アスパムテームは教科書でも紹介されていますが,NET上では,その危険性と安全性の論争が行われています。それでは,今日の勉強の確認です。 1.アミノ酸が必ずもっている2種類の官能基は何ですか?→アミノ基-NH2とカルボキシル基-COOH 2.グリシン以外のアミノ酸には,どのような異性体が存在しますか?→光学異性体 3.アミノ酸は,酸と塩基の両方の性質を示します。このような化合物を何といいますか?→両性化合物 4.アミノ酸は,双性イオンです。そのため,どのような性質がありますか?→比較的融点や分解点が高く,水に溶けやすい。 5.平衡混合物の電荷が全体として0となっているときのpHを何といいますか?→等電点 |