今日は,カルボン酸とエステルについて勉強しましょう。代表的なカルボン酸には酢酸CH3COOH acetic acid がありますね。酢酸は食酢に含まれており,私たちには身近なカルボン酸です。純粋な酢酸を氷酢酸といいます。融点が17℃で,冬に凍るからです。 ![]() ギ酸HCOOH formic acid は,カルボン酸であり同時にアルデヒドでもあります。当然,アルデヒドの性質,還元性をもっています。 ![]() 氷酢酸と無水酢酸 acetic anhydride (CH3CO)2Oはよく混同しますから注意して下さい。 ![]() ![]() ジカルボン酸であるマレイン酸 maleic acid HOOC−CH=CH−COOHとフマル酸 fumaric acid HOOC−CH=CH−COOHの区別にも注意して下さい。シス形がマレイン酸,トランス形がフマル酸です。発泡入浴剤やベーキングパウダーにはトランス形のフマル酸が含まれています。 ![]() 今日の学習内容は,次の通りです。 (1)カルボン酸 (2)エステル では,カルボン酸からはじめましょう。 |
24 カルボン酸とエステル (1)カルボン酸 カルボキシル基−COOH をもった化合物 R−COOH RCOOH ⇔ RCOO− + H+ 炭酸水より酸性が強い Na2CO3 + 2CH3COOH → 2CH3COONa + H2O + CO2 <ギ酸> HCHO + (O) → HCOOH アルデヒド基→還元性 HCOOH → CO2 + 2H+ + 2e− <氷酢酸と無水酢酸> 氷酢酸…純粋な酢酸(mp.17℃) 環状の二量体 無水酢酸…2分子の酢酸が縮合したもの ![]() <ジカルボン酸> シュウ酸 HOOC−COOH マレイン酸 HOOC−CH=CH−COOH (シス形) フマル酸 HOOC−CH=CH−COOH (トランス形) アジピン酸 HOOC−(CH2)4−COOH
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アジピン酸は,6,6−ナイロンの原料に使われますね。 カルボン酸には,これ以外に高級脂肪酸やヒドロキシ酸があります。高級脂肪酸は,天然油脂中でグリセリンと結合しています。この結合を切ると,セッケンができるのです。また,ヒドロキシ酸には光学異性体というものがあります。セッケンや光学異性体も大切なのですが,とりあえずエステルに進むことにしましょう。 酸とアルコールから水分子がとれて生成する化合物をエステルといいます。低分子のエステルは,一般に芳香をもった液体で,有機溶媒によく溶けます。 |
(2)エステル R−COOH + HO−R’ → R−COO−R’ + H2O 酸 アルコール エステル
R−COO−R’ + NaOH → R−COONa + R’−OH |
桂皮酸メチルのにおいはどうでしたか。本当に松茸のにおいがしたでしょう。最近,めっきり松茸を食べる機会が少なくなりました。松茸を食べたくなったら,桂皮酸メチルをつくるといいですよ。ちなみに,桂皮酸とはC6H5CH=CHCOOHで,ふつうはトランス形のものをいうそうです。 ![]() 実は,松茸の香りの主成分は,桂皮酸メチルではないようです。マツタケオール(アミルビニルカルビノール)が主成分であることがわかっています。 ![]() それでは,今日の学習内容の確認です。 1.鎖状の炭化水素基の末端にカルボキシル基1個が結合したものを何といいますか? 2.炭酸水とカルボン酸の水溶液とでは,どちらが酸性が強いですか? 3.最も酸性が強い飽和脂肪酸は何ですか? 4.純粋な酢酸を何といいますか? 5.マレイン酸とフマル酸のうち,カルボキシル基がシス型についているのはどちらですか? 6.アジピン酸とヘキサメチレンジアミンから何ができますか? 7.カルボン酸とアルコールが縮合すると何ができますか? 8.けん化とはどのような反応ですか? |
答
1.脂肪酸
2.カルボン酸
3.ギ酸
4.氷酢酸
5.マレイン酸
6.6,6−ナイロン
7.エステル
8.塩基によるエステルの分解反応