2006年1月19日(木) 05ko2-44 カルボン酸とエステル
 今日は,カルボン酸とエステルについて勉強しましょう。
 代表的なカルボン酸には酢酸CHCOOH acetic acid がありますね。酢酸は食酢に含まれており,私たちには身近なカルボン酸です。純粋な酢酸を氷酢酸といいます。融点が17℃で,冬に凍るからです。
      
 ギ酸HCOOH formic acid は,カルボン酸であり同時にアルデヒドでもあります。当然,アルデヒドの性質,還元性をもっています。
     
 氷酢酸と無水酢酸 acetic anhydride (CHCO)Oはよく混同しますから注意して下さい。
     
 ジカルボン酸であるマレイン酸 maleic acid HOOC−CH=CH−COOHとフマル酸 fumaric acid HOOC−CH=CH−COOHの区別にも注意して下さい。シス形がマレイン酸,トランス形がフマル酸です。発泡入浴剤やベーキングパウダーにはトランス形のフマル酸が含まれています。
     
 今日の学習内容は,次の通りです。
(1)カルボン酸
(2)エステル
 では,カルボン酸からはじめましょう。

24 カルボン酸とエステル
(1)カルボン酸
 カルボキシル基−COOH をもった化合物 R−COOH
 RCOOH ⇔ RCOO + H
 炭酸水より酸性が強い
 NaCO + 2CHCOOH → 2CHCOONa + HO + CO

<ギ酸>
 HCHO + (O) → HCOOH
 アルデヒド基→還元性
 HCOOH → CO + 2H + 2e

<氷酢酸と無水酢酸>
 氷酢酸…純粋な酢酸(mp.17℃)
 環状の二量体
 無水酢酸…2分子の酢酸が縮合したもの
 

<ジカルボン酸>
 シュウ酸 HOOC−COOH
 マレイン酸 HOOC−CH=CH−COOH (シス形)
 フマル酸 HOOC−CH=CH−COOH (トランス形)
 アジピン酸 HOOC−(CH−COOH

シュウ酸 oxalic acid

マレイン酸(シス形) maleic acid フマル酸(トランス) fumaric acid
 
アジピン酸 adipic acid
 アジピン酸は,6,6−ナイロンの原料に使われますね。
       
 カルボン酸には,これ以外に高級脂肪酸やヒドロキシ酸があります。高級脂肪酸は,天然油脂中でグリセリンと結合しています。この結合を切ると,セッケンができるのです。また,ヒドロキシ酸には光学異性体というものがあります。セッケンや光学異性体も大切なのですが,とりあえずエステルに進むことにしましょう。
 酸とアルコールから水分子がとれて生成する化合物をエステルといいます。低分子のエステルは,一般に芳香をもった液体で,有機溶媒によく溶けます。
      

(2)エステル
 R−COOH + O−R’ → R−COO−R’ + 
    酸      アルコール    エステル
酢酸エチル ethyl acetate 酢酸イソアミル isoamyl acetate
                 けん化
 R−COO−R’ + NaOH → R−COONa + R’−OH
 桂皮酸メチルのにおいはどうでしたか。本当に松茸のにおいがしたでしょう。最近,めっきり松茸を食べる機会が少なくなりました。松茸を食べたくなったら,桂皮酸メチルをつくるといいですよ。ちなみに,桂皮酸とはCCH=CHCOOHで,ふつうはトランス形のものをいうそうです。
      
 実は,松茸の香りの主成分は,桂皮酸メチルではないようです。マツタケオール(アミルビニルカルビノール)が主成分であることがわかっています。
  
 それでは,今日の学習内容の確認です。
1.鎖状の炭化水素基の末端にカルボキシル基1個が結合したものを何といいますか?
2.炭酸水とカルボン酸の水溶液とでは,どちらが酸性が強いですか?
3.最も酸性が強い飽和脂肪酸は何ですか?
4.純粋な酢酸を何といいますか?
5.マレイン酸とフマル酸のうち,カルボキシル基がシス型についているのはどちらですか?
6.アジピン酸とヘキサメチレンジアミンから何ができますか?
7.カルボン酸とアルコールが縮合すると何ができますか?
8.けん化とはどのような反応ですか?


1.脂肪酸
2.カルボン酸
3.ギ酸
4.氷酢酸
5.マレイン酸
6.6,6−ナイロン
7.エステル
8.塩基によるエステルの分解反応