2005年9月30日(金) 05ko3-38 多糖類
 今日は,多糖類について学びましょう。
 多数の単糖類が,グリコシド結合によってつながった化合物が多糖類です。主なものには,デンプンstarch,グリコーゲンglycogen,セルロースcelluloseなどがあります。
 デンプンは,α-グルコースの重合体であり,分子量は数万〜数百万です。デンプンの中で,比較的分子量が小さく,直鎖状の構造をもつ分子をアミロースamylose,比較的分子量が大きく,枝分かれの多い構造をもつ分子をアミロペクチンamylopectinといいます。アミロースは70〜80℃の温水に溶けますが,アミロペクチンは溶けません。
 デンプンの検出にヨウ素デンプン反応を使うことは,小学生でも知っていますね。では,どうして青紫色の呈色反応をするのでしょうか。その秘密は,分子の構造にあります。下のアミロースの分子モデルをみて下さい。らせん構造をしているのがわかりますか。ヨウ素分子は,そのらせんの中にすっぽりと入ってしまうのです。それが青紫色に呈色する原因であるといわれています。
  
 今日の勉強の具体的な内容は,次の通りです。
(1)デンプン
(2)グリコーゲン
(3)セルロース
 最初はデンプンです。私たちの体の中では,デンプンは酵素アミラーゼによってデキストリン,マルトースに分解され,更に酵素マルターゼによってグルコースに分解されます。

24 多糖類
   多数の単糖類がグルコシド結合によってつながった化合物
(1)デンプン
   starch (C10 sterchen=糊付け
       アミラーゼ    アミラーゼ   マルターゼ
   デンプン → デキストリン → マルトース → グルコース
   α-グルコースの重合体(数百〜数万個) 分子量数万〜数百万

 <アミロース>amyrose
   直鎖状の構造 多くのヒドロキシ基→親水コロイド
   還元性がない
   ヨウ素デンプン反応(濃青色) 

 
 アミロースの構造式
 
 アミロースの分子モデル
 
 アミロース分子はらせん構造
 らせんの中にヨウ素分子が入る→ヨウ素デンプン反応 
 
   
 <アミロペクチン>amylopectin
  枝分かれの多い構造 不溶性(アミロースより分子量が大きい)
  還元性がない
  ヨウ素デンプン反応(赤紫色)
 
 アミロペクチンの構造式の一例
    
 ふつうのデンプンでは,アミロースが20〜25%含まれて,他はアミロペクチンです。餅米では100%アミロペクチンです。                            
 次はグリコーゲンです。グリコというお菓子の会社がありますが,どうやら語源はギリシャ語の甘いという意味のようです。ですから,グリコーゲンは甘さの生じるものという意味でしょうか。
       
 構造や組成は,アミロペクチンと同じで,ヨウ素デンプン反応の色は赤褐色です。ヨウ素デンプン反応は,すべて青紫色ではないのですね。
 グリコーゲンは,動物の肝臓や筋肉の中に含まれています。必要に応じて,グルコースに加水分解され,血液中を移動します。
    

(2)グリコーゲン
   glycogen (C10 glykos(ギリシャ語)甘い+gen生じる
   構造や組成はアミロペクチンと同じ
   分子量 数百万
   還元性がない
   ヨウ素デンプン反応(赤褐色)
 セルロースは,植物の細胞壁の主成分です。セルcellとは細胞のことですね。セルロースは,細胞と糖類がミックスルされたことばです。
     
 下の構造式をみて下さい。β-グルコースが直鎖状に縮合していますが,二糖類のセロビオースが単位になっていると考えてもいいですね。セロビオースは,平面状の分子でした。また,構造式の数字をみて下さい。β-グルコースの1番炭素から6番炭素の位置を示しているのですが,青色の数字と赤色の数字は裏表が逆になっているいることがわかりますか。セルロース分子では,β-グルコース分子が,交互に裏表逆に結合しているのです。
 したがって,セルロースはらせん構造をとりません。下の分子モデルでも,明らかにアミロースとの違いがわかりますね。また,分子間ではヒドロキシ基による水素結合があるため,分子同士が結合します。だから強い繊維になるのでしょうね。
 セルロースの分子量は,百万〜数千万にもなるといわれています。木綿では,β-グルコースが約3000個,パルプでは約800個結合しているそうです。
    

(3)セルロース
   cellulose (C10 cellula(ラテン語)細胞+ose糖類
   β-グルコースが直鎖状に縮合
   分子量百万〜数千万
 
 セルロースの構造式
 
  セルロースの分子モデル
  
 分子間でヒドロキシ基による水素結合
 (3番炭素と6番炭素の−OH)→よい繊維
 アミロースとセルロースの違いは,ヨウ素デンプン反応で呈色するかしないかです。そして,その違いは,分子がらせん構造をとっているかとっていないかです。区別できるようになりましたか。
 それでは,今日の勉強の確認です。
1.デンプンの分子を構成している単糖類は何ですか?
2.デンプンの分子で,比較的分子量が小さく,直鎖状の構造をもつ分子を何といいますか?また,比較的分子量が大きく,枝分かれの多い構造をもつ分子を何といいますか?
3.デンプンに還元性はありますか?また,ヨウ素溶液による呈色反応の色は何色ですか?
4.セルロース分子を構成している単糖類は何ですか?


1.α-グルコース
2.アミロース,アミロペクチン
3.還元性はない,ヨウ素溶液による呈色反応は青〜青紫色
4.β-グルコース