2006年4月25日(火) 06ko3-04 理想気体の状態方程式
 前回は,ボイルの法則とシャルルの法則を学びました。ボイルの法則は温度が一定のとき,シャルルの法則は圧力が一定のときという条件がつきましたね。ボイルの法則とシャルルの法則を1つにまとめることはできないのでしょうか。
 今日の学習内容は,次の通りです。
(1)気体の体積と圧力,温度
(2)気体定数
(3)状態方程式
(4)状態方程式と分子量
 それでは,気体の体積と圧力,温度の3つのものについて考えてみましょう。
 

4 理想気体の状態方程式
(1)気体の体積と圧力,温度
 
 ボイルの法則とシャルルの法則をまとめると,
 
一定量の気体の体積 は,圧力 に反比例し,絶対温度 に比例する
 →
ボイル・シャルルの法則
 アボガドロの法則を覚えていますね。同温・同圧で比較したとき,気体の体積はその中に含まれる気体の粒子数(いいかえると物質量)に比例するというものです。これを使って,ボイルシャルルの法則の比例定数 を求めてみましょう。標準状態における気体の体積は22.4 /molでしたね。標準状態とは,1013hPa,0℃です。
  
 実在気体のところでも述べますが,厳密にいうと標準状態における気体1molの体積は,すべて22.4 ではありません。
名称 分子式 沸点〔℃〕 体積〔
理想気体 22.414
水素 −253 22.43
ヘリウム He −269 22.42
窒素 −196 22.40
アルゴン Ar −186 22.40
酸素 −183 22.39
塩化水素 HCl −85 22.24
アンモニア NH −33 22.07
二酸化硫黄 SO −10 21.89


(2)気体定数
 標準状態→1013hPa,0℃(273K),
 標準状態における気体1molの体積=22.4〔 /mol〕
 pv / =1013〔hPa〕×22.4〔 /mol〕/273〔K〕
=83.1〔hPa・ /(mol・K)〕
 →
気体定数,記号
 もう一度,今までの話を整理しておきましょう。まず,ボイルの法則より/は一定,は定数)の関係がありますね。は物質量です。そして,シャルルの法則より は一定,は定数)の関係があります。この2つの関係より,ボイルシャルルの法則を導くことができました。さらに,アボガドロの法則よりは一定,は定数)の関係があります。これら気体の3つの法則をすべて1つにまとめると,どのようになるのでしょうか。気体の体積は,物質量 と絶対温度 に比例し,圧力に反比例することが分かります。
 

(3)状態方程式
 気体定数 を用いると
 
pVRT
  は1molあたりの体積だから,物質量〔mol〕のときの体積を 〕とすると,V/
 pVRT に代入すると,
pvnRT
 気体の体積 は,物質量と絶対温度 に比例し,圧力に反比例する
 →
理想気体の状態方程式
 モル質量〔g/mol〕の気体の分子量は,モル質量の数値部分の でしたね。したがって,気体の分子量を知るためには,モル質量がわかればよいのです。
 ここで,理想気体について説明しておきましょう。ボイルシャルルの法則は,実際の気体に適用すると多少ずれることがあります。この法則が厳密に成り立つと考えた気体を理想気体といいます。では,どうして実際の気体に適用するとずれるのでしょうか。実際の気体では,分子間力がはたらき,分子自身に体積があることが原因です。したがって,理想気体とは,分子間力がはたらかず,分子自身に体積がない仮想の気体ということになります。
 理想気体の状態方程式を使うと,気体のモル質量を求めることができます。組成式と分子量から分子式が決定できましたね。
 

(4)状態方程式と分子量
 モル質量=〔g/mol〕,質量=〔g〕,物質量=〔mol〕のとき,pvnRT より pvwRT/
 したがって,
 
wRT/(pv
 気体のモル質量 ←気体の圧力,体積,温度,質量 を測定
 気体の密度を
とすると,/ だから,
 
dRT/
 気体のモル質量 ←温度,圧力 における気体の密度 を測定

 分子量を調べる方法は,高校の化学でもいくつか紹介されています。上の式を使って分子量を求めるには,質量,温度,圧力,そして体積を測定すればよいことになります。
 それでは,今日の学習内容を確認しましょう。
1.ボイルの法則とシャルルの法則から,一定量の気体の体積は,(ア)に反比例し,(イ)に比例します。
2.1の関係を,何といいますか?
3.2の法則が厳密に成り立つと考えた気体を何といいますか?
4.83.1〔hPa・ /(mol・K〕は何という定数ですか?
5.4の定数の記号は何ですか?
6.3の状態方程式を示しなさい。
7.6の式を使うと分子量を求めることができます。モル質量はどのような式で与えられますか?


1.ア:圧力,イ:絶対温度
2.ボイル・シャルルの法則
3.理想気体
4.気体定数
5.R
6.pvnRT
7.wRT/(pv