平成22年度第2回公開セミナー  
   「虹の国の地質と人々」 −地球の裏側から日本を透視する−
   講師:岡本義雄先生(附属高等学校天王寺校舎教諭 地学科) 

2010年11月6日(土)  14時〜16時 本校小講堂にて

 小春日和の穏やかなお天気に恵まれた11月6日、附属天王寺中・高等学校 小講堂において、およそ150人の皆様にご参加いただき、第2回公開セミナーが開催されました。
受付が始まった午後1時30分をすぎると、親子連れ、ご夫婦、あるいはお一人でのご参加の方などが次々と受付をすまされ、資料やアンケートを手に小講堂へ向かいます。
 今回のセミナーは、「虹の国の地質と人々」と題し、本校地学科教諭の岡本義雄先生が、地球の歴史という壮大なお話を身近な例に置きかえながら、わかりやすくお話し下さいました。海外体験の豊富な岡本先生ならではの興味深いお話に、会場は終始、なごやかな雰囲気に包まれていました。

本校副校長 岡先生の司会でセミナーは始まり、岡本先生のプロフィールをご紹介くださいました。
PTAや教育後援会の役員の方々が、受付を担当してくださいました。
教育後援会グッズ販売コーナーでは、ファイルやエコバッグ、ペン、タオルなどが販売されていました。
演題にある「虹の国」とは、南アフリカ共和国のこと。この国が見せる様々な横顔、明と暗、光と影など、多様性を表現しているのです。
今年の9月。岡本先生は南アフリカ共和国で開催された国際地学教育学会に参加されました。今夏、サッカーのワールドカップの舞台となった国です。
セミナーはまず、岡本先生がその目でごらんになり、肌で感じた南アフリカという国の紹介から始まりました。
どの家も頑丈かつ電流線の棚があることや、店では格子の入っていない窓を探すのが難しいというような現実は、この国の治安を物語っているようです。
高速道路、ホテルの食事、住宅事情からフレンドリーな国民性など体験を交えながら、楽しく紹介してくださいました。
なぜ、南アフリカなのでしょうか。それは、地球ができた直後の岩石、つまり36億年前の岩石が豊富に存在するからです。
地球の歴史を地層(岩層)に見、岩層から地球の歴史を見ることができるのです。
32億年前、世界最古の潮汐でできた砂岩の模様からわかる、当時の潮の干満、月と地球の関係、そして月の起源まで話は発展していきます。
現場で採取した、35億年前の岩石の実物を見せていただきました。
2002年に訪問した、南アフリカの鉱山のお話もしてくださいました。世界最深の金鉱山は地下4キロ。時速50キロ(!)のエレベーターで4分程だそうです。おお、こわい!!
ご自分の研究を通して見えてくる昨今の学生気質。
情報社会のもと、容易に、しかも大量に入手できるデータの洪水に翻弄されがちな学生。
すぐに答えを求め、効率よく目的達成を目指そうとするが、学問に王道はありません。
ベノアが発見したフラクタルとフラクタル分布(ベノ分布)
砂山モデルを作った自己組織化臨界現象など難しい理論を、人間の脳の働きを例に、わかりやすく説明されます。
人のDNAは、その97%がジャンクと言われますが、人間の進化の中でそのジャンクが何らかの役割を果たしたのではないでしょうか。人間は、その進化の中で最適化を繰り返しています。
効率至上主義に警鐘を鳴らし、無駄の効用、自分の目で確かめる本物主義を強調された岡本先生は、若者を信じようともおっしゃいました。「人間はある時、ある瞬間に物事が突然理解できることがある。だから子どもに対しても、次々と要求・成果を求めるのではなく、子どもの力を信じ、その成長を見守ろう」とのお話はとても説得力があり、子育ての極意のように思えました。
 
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